成年後見の審判書が届いた。
約1週間前に申立、2日前に審尋、昨日審判。
最速である。
司法書士法人として成年後見人に選ばれた。
さて、成年後見人って家庭裁判所で選任されるんですね。
つまり、申立書って家庭”裁判所”に出すんです。
裁判所のことを”司法”っていいますから、成年後見の申立書類の作成は司法書士の仕事ということになります。
えっ?
司法書士って、裁判所に提出する書類を作成する人なの?
登記する人じゃなかったの?
登記は法務局という役所に申請書を提出します。
もちろん間違いじゃありません。司法書士は裁判所と法務局に提出する書類を作成する人です。
ではでは?
登記、特に不動産登記って何のためにするか分かります?
Aさんがある不動産を持っています。所有しています。この所有権が自分にあることを世間にはっきり示すために登記はあります。
個人情報がうるさい世の中ですから、不動産が誰のものかも個人情報だ、だから誰でも登記簿をとれるわけではないと思っている方もいますが。
違います。
登記はこのように、世間に明らかにしておく、公示するためにあります。
登記簿も誰だって取れます。
さらにAさんがBさんにその不動産を売却したとします。Bさんが自分に所有権があるぞということを公示するためには登記が必要になります。
でも、なぜか? 登記をするのを怠ったとします。
登記簿を見たCさんが、Aさんにその不動産を売ってよと言いだします。
悪心を起こしたAさん、Cさんにも売却したとします(二重譲渡)。Cさん、すぐにちゃんと登記しました。
さて、この不動産は誰のもの?
たぶん、推測通りです。Cさんのものになります。
登記には対抗力という力もあって、先に登記したCさんがBさんに自分のものだよって対抗できるわけです(早い者勝ち)。
だから、不動産売買の決済があったとき、司法書士がその日のうちに登記申請することを至上命題としているのは、この理由です。
早い者勝ちって言いだす輩が現れないようにするためです。
買主の権利保全が至上命題ってことです。
もちろん、BさんはAさんに損害賠償はできます。ただ、不動産は最終的には自分のものにできないということになります。
このことをご理解頂いた上で、
本日、所有権の仮登記を申請しました。
”仮”登記って何だ?
現実にはしないでしょうけど、もしBさんが登記をしないまでも、この仮登記をしていたらどうなるか?
Cさんが登記を済ませて、自分のものだって言いだしたとしても、Bさんは本登記をすることでCさんに優先する順位を確保することができます。
このように仮登記には順位保全効があります。
今回仮登記をしたのは、所有権の移転という効力の発生が、将来ある条件を満たしたときに発生するような特殊なものだったからです。
もしからしたら忘れているかもしれませんが、
私、
司法書士です。
石川県で初めて司法書士法人を作った司法書士です。
ちゃんと、登記についてもブログ書けるんですよ。
※ 記事に関連したサービス内容
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ不動産登記ブログ~