この日のため、この言葉のための民事信託

2019年5月15日

「おかげさまで、全てつつがなく。これが最後です」

 

本日最後の面談は、民事信託の受託者さん宅。内容は、受益者の変更登記。

 

昨年末、民事信託のご依頼を受けました。

 

依頼者さんは、すい臓癌を患い、既に余命宣告を受けた方。時期は、その余命宣告された日も過ぎていました。後は神様からもらった時間と、奥様とも明るくお話されてました。

 

遺される家族のために出来ることはないか?

 

そのニーズにぴたりと合うスキームが民事信託。

 

所有権は信頼している息子さんに。自宅に住む権利(受益権)を奥様、そして心配している家族に、と移していくスキーム。

 

この受益権は、依頼者さんがご存命な間は依頼者さんが有しており、亡くなると奥様に移るという契約にしてあった。

 

今回、四十九日も終わり、他の相続手続きも終わり、この受益者の変更が最後だそうです。

 

「おかげさまで、全てつつがなく。これが最後です」と受託者の息子さんの言葉。

 

この日のために、この言葉のために、

 

お父様はご依頼下さったのだなあ、と思いました。

 

見せて下さった、四十九日の、家族が笑った写真が印象的でした。

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ民事信託ブログ~

もし、「民事信託」を提案されたら、

2019年1月16日

本日は、民事信託契約を公証人役場で作成し、速やかに登記申請。

 

公証人役場では、委託者と受託者による署名・押印(実印)。

 

司法書士の我々は、この契約書の案作成から携わり、公証人の場でも同席。

 

民事信託は、その設計の仕方によっては遺言的な機能もあり、今回はその機能も重視して早めの完了が求められてもいた。

 

年末が迫ってからのご依頼で、気をもみましたが、無事申請。

 

 

さて、民事信託は、この契約書の作成、登記申請と時間も労力もかかるため、司法書士が携わる業務の中でも、費用がかかる部類の業務である。

 

そして、これを関係当事者の皆さんがご理解頂けるというのも中々難しい。

 

したがって、司法書士、若しくは弁護士・税理士から、民事信託を提案された場合。

 

一度、立ち止まることをお薦めしたい。

 

なるほど、自分たちの求めていることを叶える手段として、民事信託というスキームが合っていることを確認すること。

 

そもそも理解できること。

 

その上で、その報酬が相当なのか?を確認すること。

 

もし、えっ?と思われたら、別の事務所で相談してみることです。

 

もっと報酬が低い場合だってよくあることです。

 

何も安ければいいと言っている訳ではありません。安いけど、説明に不安があったり、不明確で頼りないなってこともあるかもしれません。

 

しかし、セカンドオピニョンを聴くことで民事信託の理解が進むこともあると思いますよ。

 

場合によっては、民事信託使わなくてもいいケースだったということもあり得ます。

 

もし、「民事信託」を提案されたら、一度立ち止まって下さい。

 

決して簡単に結論を出していい手法ではないですし、費用でもありませんよ。

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ民事信託ブログ~

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