貸した借りた問題、漸く和解成立

2016年12月8日

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「司法書士って裁判できるって知ってるって方?」

 

昨日のセミナーでも右手を肩の横に挙げながら質問してみた。

 

ほぼほぼ反応はない。

 

消費者金融や信販会社を相手にした過払い請求が一大ブームを起こしていた頃、世の司法書士たちも弁護士に負けないくらい裁判所に足を運んだものだ。

 

そのブームは去り、ちょっとだけ歪みみたいなものが残った。

 

ただ、あのブームは、司法書士に簡易裁判所で”訴訟”をするという経験を積ませてくれて、その敷居を下げてくれたことは間違いないと思う。

 

とは言え、取引履歴の計算が済んだら、勝ち負けがほぼ分かる過払い訴訟ならやれるけど、勝ち負けが分からない、効率もよくない一般民事だと足が遠のく司法書士も出てきたのではなかろうか?

 

でもね。

 

司法書士は、140万円までだったら、簡易裁判所で訴訟代理人になれるんです。

 

そして、個人のトラブルの多くは、そこにあるんです。

 

切り札として訴訟ができるからこそ、堂々と”法律相談”ができるんです。

 

 

本日、2か月ほど前に法律相談・受任した案件が一つの決着をみた。

 

漸く、和解成立である。

 

個人間の金銭の貸し借り(金銭消費貸借)。

 

借りた方は既に遠方にいて住所が分からない。

 

探すところからスタート。

 

当時の住所→住民票→戸籍の附票と、幸い発見。

 

お手紙の発送(今回は敢えて内容証明は使わず)。

 

返してもらえるだろうか?

 

親しい個人間では、ちゃんとした契約書を交わしていることは多くない。今回もそう。

 

残っていたのは、数枚のメモ書きくらいの手紙。メールのやりとり。振込のあった通帳。

 

これらを付き合わせると、少なくとも幾ら返済する義務があるかが見えてきた。

 

どうしても任意で和解ができなければ、これらを証拠に訴訟へ進むしかない。

 

まず、返済する意思があることは確認できた。申し訳ないという言葉も頂けた。

 

こう言った言葉を依頼者に告げることが出来れば、依頼者の気持ちも軟化する。そこは人の情である。

 

ただ、一括で返済は難しい、とのこと。

 

これは個人間のトラブルでは避けて通れない。

 

実現可能性のない一括返済で和解するということにもあまり意味を見いだせない。

 

必然、分割弁済の話になる。

 

ここからは条件交渉である。

 

依頼者さんとすれば短い(早い)に越したことはない。が、やはり実現可能性も大事。

 

ここで、先ほどの申し訳ないという気持ちが効いてくるのだ。

 

受任したときは、そもそも相手が見つかるのか?から始まっているので、どんな結果になるかは不透明な部分も多かったが、いい結果になったのではなかろうか。

 

というわけで、本日、和解書として、債務承認・弁済契約書作成。

 

あとは、約束通り返済していってくれることを希望する。

 

 

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