所有者不明土地問題は、国を挙げて取り組むべき問題です。
何が問題か?というと、それを買おうとしても、借りようとしても、所有者が誰なのか? どこにいるのか? 分からないと結局、それらを有効活用できないということです。
そこで、それらを前に進める、ささやかな方法として財産管理制度があるんですが、来月にそのセミナー講師を頼まれています。
なかなか平日日中に集中して資料を作成できないので、日曜出勤して書類を作成。
その翌日の今日、日経新聞さんから、所有者不明の家屋、特に所有者不明の金沢町家について取材を受けました。
土地と家屋で若干の違いはありますが、話す内容はかなりかぶっていましたね。
私は、セミナーにおいては、できるだけ司法書士の立場から、という視点を大事にしています。
まあそれしか話せないというのもありますが、司法書士にご依頼下さっている以上、それを期待されているから。マイナーな司法書士業務を知ってもらいたいという思いもありますね。
司法書士というのは、常日ごろ、不動産登記に携わっているので、不動産の所有者の意思確認という要請が大きいです。
つまり、この不動産の所有者は誰? 所有者の意思は? ということになるわけです。
登記簿上の所有者さんが生きていれば、そして所在も分かれば、その方の意思を確認すればよい。
死亡していれば、その相続人の捜索。
それも相続人のどなたからご依頼があれば可能だが、それ以外はなかなか難しい。
相続人が判明しても、それが多数ならなかなか合意を得るのが難しい。
そもそも資産価値が高いようなら空き家になっている可能性は低く、資産価値がそんなにないから放置されているケースが多い。
自分にメリットが少ないのに積極的に協力してくださるというのは稀有で、とてもありがたいことです。
話し合いができるならまだいいですが、中には行方不明の方、認知症の方、そもそも相続人がいないなんてケースも。
そんな場合に利用するのが財産管理制度です。
具体的には、不在者財産管理制度、相続財産管理制度です。成年後見制度も含めていいかもしれません。
まあ、これがセミナー内容ですが。
とにかく、空き家問題、所有者不明土地問題は国を挙げての問題です。
こうなってしまうと、解決はかなり地味で難しい問題になってしまいます。
空き家にしない、所有者不明土地にしない。
早め早めの相続登記をお願いします。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~