私がブログを書くのは、同業者向けではないので、司法書士がご自身の業務の参考にしたいと思われるときは、あまりお薦めしません。
今日のは、そんなマニアックな記事。
現在、パートナー司法書士と手分けして、各種とりまぜ色々と相続登記の準備を進めている。
その中に、こういうのがある。
物件は土地なのだが、登記簿を見ると、所有権の欄(甲区)がない。表題登記のみ。
かなり古い登記であることが多い。
これ自体はあまり驚かなくなった。
表題部の所有者欄に記載されているのは、所有者の氏名のみ。住所がない。
これ自体も驚かない。
甲区がない以上、相続登記ではなく、相続に基づく保存登記になるのだが、これ自体は何度か経験がある。
不在住・不在籍証明を付けて、納税証明を付けてやれば、金沢地方法務局管轄ならOK。
今回、えっ?と思わせてくれたのが、
表題登記の所有者欄に3人の氏名が記載。持分記載はあるものの、住所記載はない。
依頼者さんは、その内の1人のお孫さん(相続人)。
あとの2人は全くの他人。
ここで、問題が1つ。
そもそも保存登記ができるのか?
不動産が共有の場合、共有者の1人が自身の持分のみの所有権保存登記を申請することはできない、とされている。
司法書士受験生なら即答であろう。
では、各共有者(その相続人)は単独で全員のために所有権保存登記の申請することはできるだろうか?
やはり、受験生なら即答であろう。
私より経験の浅いパートナー司法書士に質問してみたところ、
「できますよね」と、即答。
・・・・・・・・・・ 即答なのね(笑)
ちなみに、私自身は、取り敢えず、書籍で確認した上で、あゝ出来るのねと思い出した次第。
つまり、表題部にABCの3名が記載されていたとして、Aの相続人である甲とBCで保存登記ができるという結論。
ここまではいい。
BCの住所記載はないし、よってBC(間違いなく既に他界)の住民票も取れない。
Aの相続書類のみで保存登記はできるのか?
答えが見つからず、法務局に照会。昨日、最終回答。
結論、ダメ。
BCの住所の分かるもの付けて、そして同一性を証明するものも付けて。
取り敢えず、途方に暮れる。
相続登記(今回は保存)は奥が深い。
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