任意売却(終活編)

2023年2月3日

 

先日、とある高齢者施設に本人確認に行ってきました。

 

このご時世ですから、玄関先で、ガラス戸越し。

 

耳が遠いので、トランシーバーの小さいやつみたいのを使って会話します。書面を見ながらなので、筆談に近いですかね。

 

それを受けて、本日、弊所で不動産売買の決済でした。

 

内容は、高齢のお父様から息子さんが実家を購入し、その売買代金を使って実家を担保にお父様が借りていたお金を返済するというもの。いわゆる任意売却ですね。

 

話は2か月ほど遡り、お世話になっている方からご友人のことで相談にのってあげて欲しいというもの。ご実家は石川県ですが、ご自身のお住まいは神奈川県。相談はZoomを使って。これもご時世。

 

聴くと、お父様が事業で作った借金があり、今のように細々と返済していっても到底返済しきれない額になっている。債権者である金融機関と話したところ、いくらかまとまって返済してくれれば抵当権を外してくれるというもの。おそらく競売にかけてもメリットを感じないんでしょうね。

 

この間、金融機関と当職が打ち合わせを重ね、本日を迎えました。

 

事業をしていた方が亡くなり、配偶者や子が多額の借金を相続するという話は決して珍しくありません。とても返済できないので相続放棄を選択するということも。相続放棄をすれば思い出深い実家を手放すことになります。

 

今回このような方法でご実家を守ることができました。

 

将来、実家に戻ることも頭に置いているそうです。

 

生前に、このように綺麗にしておくって大切だなって思いましたね。

 

これもまた1つの終活ですかね。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ不動産売買ブログ~

民法改正に伴う免責的債務引受登記

2022年12月1日

とある金融機関さんから、相続に伴う債務者変更登記のご依頼がきた。

 

預かってきた債務者変更契約書に従って、明日申請して欲しいというもの。

 

契約書を眺める。

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

違和感。

 

違和感の理由は?

 

おっ⁉

 

この契約書、民法改正前のひな型で作られている。

 

これだと、契約成立していない。成立していないから当然登記もできない。

 

担当者さんに電話で説明するのも難しいので、うちの司法書士くんが説明に行く。

 

説明はこうだ。

 

2年前、改正された民法が施行された。

 

その中に債務引受というこれまで明文がなかったものが、はっきりと条文化された。具体的には472条。関連条文として472条の4。

 

債権者(抵当権者)甲、旧債務者A、債務を引き受けた新債務者B、担保提供者(抵当権設定者)乙が登場人物。

 

簡単に言うと、契約なんだから、登場人物みんなの合意(承諾)が必要だよということ。これらが契約書に盛り込まれていないといけない。

 

担当者さんは困ったらしい。

 

このひな型は、全国で使っているので、一支店では直せないとのこと。

 

弊所で改めて作ってくれないか?となった。

 

作るのは訳ないですが、これからのことを考えると、全国で使っているものを刷新しないと、今後も同じことが起きるよ。

 

相続に伴う、免責的債務引受って、決してレアなケースではないですからね。

Contact Us

ページトップへ