住宅の競売と消滅時効の更新(中断)

2022年8月2日

「はい、内容証明の通りで結構です。」とある金融機関さん

 

やっぱり、そうだよね。そうなるよね。

 

数か月前に行政書士の先生のご紹介で、債務整理のご相談を受けた。

 

相談者さんは随分前に多く借金があったのですが、仕事が軌道に乗って、そのほとんどを返済して唯一残ったのが住宅ローン。

 

随分前に自宅は競売にかけられて、他人の所有になっている。

 

記憶では、10年近く前の話。

 

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時効?

 

通常の銀行さんだと、住宅ローンでも5年の消滅時効、住宅金融支援機構さんでは10年の消滅時効にかかります(最近知った。違うんだ)。

 

民法では、銀行が住宅の競売を行った場合に、これらの手続きが取下げされずに終了した時点で時効更新の効力が生じるとしています(148条)。

 

ちなみに、時効の更新は民法改正前は時効の中断と言っていました。こっちの方が馴染みやすい。今でもついつい使ってしまいます。

 

まずは、登記簿を確認。競売の日が分かります。

 

信用情報機関から信用情報の開示を求めます。最後の入金日(支払日)が分かります。

 

なるほど、10年経ってるな。

 

時効は数字(年月日)が全て。

 

とは言え、あの有名な金融機関さんでも、放置したりするのかな? 半信半疑で内容証明を作成。

 

数日後、さっきの電話。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ消滅時効ブログ~

 

 

 

 

だって、司法って「裁判所」のことですから

2021年1月5日

年末、一人休日出勤した日。

 

電話が鳴る。

 

「裁判所から訴状が届いて、1月15日に東京の簡裁に出廷するようにと書かれているのですが、今からでも代理人として受任してくださいますか?」と不安そうな女性の声。

 

15日というと、事務所営業日でいうと1週間くらいか。

 

訴状の内容を確認すると、〇万円の債権回収。その存在に争いはなく、本人も一括で返済する意思あり。

 

であれば、正直急ぐ必要はないかな?相手業者さんも冬季休暇だろう。

 

「簡裁からの訴状なら、中に答弁書が入ってるでしょう?ほとんど☑で答えられるような」

 

「はい」

 

「私を代理人にしなくても、それを埋めて出せば大丈夫ですよ。自身で書くのがどうしても心配ということであれば、事務所に来てくれれば、アドバイスしてあげられるとは思いますが」

 

ということで、本日、相談者さん来所。

 

「ここに☑して、ここはこんな感じで書くといいよ」

「相手業者さんに連絡して、裁判前に払ってしまって、間に合えば取り下げてもらうのがいいけど。払う気があるならそんな心配しなくても大丈夫ですよ。裁判と言っても刑事事件と違って犯罪ではないですから、まあ裁判所から訴状が届けば怖いって思うよね?」

 

10分ほどのアドバイスで終了。相談料はなし。

 

安心して帰って行かれました。

 

そうそう、これが午後一の話なんですが、午前一は、控訴の控訴理由書の相談でした。控訴すると、50日以内に控訴理由書を提出しないといけません。司法書士は簡裁(1審)で代理人にはなれますが、地裁(2審)ではなれません。

 

地裁で法廷には立てませんが、裁判所提出書類を代わって作成することはできるので、こんな仕事もしています。

 

司法書士と裁判所は結構近いんですよ。

 

だって、司法って「裁判所」のことですから。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ訴訟代理人ブログ~

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