事務所では、全国紙と地方紙の新聞をとっているのですが、本日、やはり気になる記事は、相続税対策の養子縁組の有効性についての最高裁判断について。
全国紙では、「相続税対策の養子縁組 有効」という見出し。
地方紙では、「無効と言えず」という見出し。
無効ではない=有効なのだろうから、どちらも間違いではないのだろう。
が、どちらかと言うと、無効とは言えないという言い方の方が正しいような判断かな?節税の目的と縁組の意思は併存しうるということらしい。
節税目的しかない養子縁組とは、証明しようがないということのようだ。
有用な情報はここまで。
あとは独り言。
相続税対策の養子縁組については、ずっと違和感があった。
何でだろう?と考えてみると、
節税対策というのは、数字を算出してというような、どこかドライなイメージ。
一方で、養子縁組は家族関係の形成というような、ウエットなイメージがつきまとう。
どうも、両者は異質に思えるからなんだろうな、と、私のただの感覚なんですが。
そもそも、相続税というのは誰が払うのか?というと、残された子ども(相続人)です。
残す人(被相続人)にとって見ると、死んだあとの話だから、関係ないと言えなくもない。
が、そこは親心か?
あるいは、せっかく築いた財産を、子どもたちならまだしも、税金として国に持って行かれるのは我慢できない。という感覚か?
対策というからには、通常、メリットとデメリットがあるわけで。
ただ、いわゆる終活のメリット・デメリットを考えるときは、残される人にとってのメリット・デメリットを考えるべきであって、
孫と養子縁組することで相続税は幾らか安くなったのかもしれないが、
その結果、子ども同士がケンカして、裁判所に持ち込まれるなんて、この対策をした被相続人は望んだんだろうか?
成人ならともかく、孫は、物心がついたときどんな気持ちになるのだろうか?理解できるのだろうか?
メリット・デメリットは、何もドライなものだけじゃないよね。感情とかウエットなものまで考えておかないといけないんじゃないかな?
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