本日は、お世話になっている保険マンが前職の金融機関の支店長さんをご紹介下さるということで、図々しくお邪魔。
その道すがら。
お世話になっている税理士さんから電話。質問。
「相続放棄をした人が遺産分割協議に参加した場合、その遺産分割協議は有効?」
よくセミナーなどではこんな言い方をする。私は。
遺産分割の話し合いには相続人全員が参加するんですよ(同席という意味ではない)。
相続人でない人が参加してもダメだし、足りてなくてもダメ。
とまあ、砕けた言い方をする訳ですが。
相続放棄というのは家庭裁判所に申述して受理されて初めて成立するんですが、相続放棄をすると元々相続人でなかったと扱われます。
つまり、相続人でない人が参加した遺産分割協議の有効性は?という話になる。
さっきの言い方だとダメということだが、有効か?無効か?という法的な話になると、即答しかねる。
遺産分割協議というのは複数の相続人が参加して結論を出したものだから、後になって勝手に解除できないというように、法的安定性のようなものが求められている。
ということからすると、無効とはしにくいだろうなという方向性は何となく分かる。
支店長さんに会いにいく途中でしたから、パートナー司法書士にLINEで調べておいてとお願いする。
最高裁判例はないが地裁レベルでは、
相続人でない人が参加していても、相続人全ては参加しているわけだからやはり無効とはしない。相続人でない人が取得した財産があるなら、その部分だけ無効とし、それを再度相続人で分ける。
つまり、相続放棄者が参加した遺産分割協議も有効。
さらに言えば、相続放棄者は放棄した後でも、遺産を処分するような行為をすると、放棄はなかったことになり、相続したものとみなされるので、その者が取得した部分も有効となるでしょうね。
とても面白い質問でした。
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