ここ毎週月曜日、仕事の合間に歯医者さんに通っている。
その歯医者さんには新人歯科助手さんがいて、基本目をつむっている私の周りで会話が繰り広げられている。
歯に詰め物をするらしく、先輩助手が練った何か(見えていない)を後輩助手が私の口に運ぶ途中(たぶん)、
「あっ、落としました」
「えっ?落としたの?」とまた練る先輩(たぶん)。
続いて、歯の型を取るために、何か固まる系のものを口に入れ、歯の上でしばらく押さえている。
5分ほどして、固まったものを口から取り出し、先生に見せ、
「はい、やり直し」
・・・・・・・
「もう1回取りますね」と先輩助手。
・・・・・・・
(もう1回取るんかーい)
まっ、誰にでも初めてはあるさ。
さて、先週、美人社労士さんが電話でご紹介下さった案件。その電話の中で
「賃貸借を抵当権に優先させるような登記をお願いしたい」というようなことを。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「詳しいことは、来られたときに・・・」と会話を終える。
どっかで聞いたような、ないような・・・
目の前にいるうちの敏腕司法書士2名に話を振ってみると、同じような顔。
「あああ 何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたような」
大事なのは、そこ。
在ることさえ分かれば、調べればいいだけ。在るんだから答えはすぐ見つかる。
「賃借権の抵当権に優先する同意の登記」
登記は先に登記されたものが優先する。
銀行が土地に抵当権を付けた後に、その土地に賃借権を付けると、先に付けた抵当権が優先する。
そうなると、もし債務者の支払いが滞り、銀行がこの土地を競売にかけたりした際には、新所有者のこの土地を使用する権利が、後の賃借権に優先して、以後賃借人はこの土地を使用できなくなる。
それでは土地の所有者と賃貸借契約を結んだ意味がなくなるじゃないか。
2番手なんだから仕方ないじゃないか。
が、
1番手の抵当権者が「いいよ」って言ってくれるなら、2番手の賃借権者に1番手を譲ってやろうというようなイメージ。
そんな虫のいい話があるの?
まあ、あんまりないから、この登記をする機会が少ない訳で。
で、あああ 何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたようなというリアクションになる。
が、しかし、答えが出れば、あとは簡単。
さも知ってましたよという顔して、本日、銀行の担当者さんと打ち合わせ。
今回、この銀行さんから持ち掛けたようです。大切なお客さんなんでしょうね。
担当者さんも初めてなので、全ての書類はこちらで準備することに。
初めてなのに、提案できたってスゴイですよね。司法書士があのリアクションするような知識を。。
まっ、誰にでも初めてはあるさ。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ不動産登記ブログ~