本日、朝一は、賃借権の相続人さん宅へ。所有権ではなく賃借権。
話は、不動産を買いたいんだけど、賃借権がついていて大丈夫かな?という質問から始まる。
不動産を買う場合、その売買契約には通常、抵当権や賃借権は抹消させて移転するっていう条項が入っているはず。
で、今回、登記簿を見ると、明治時代に付けた賃借権が残っていた。
では、消さないと?
当事者は既に亡くなっている蓋然性が高い。
幸い、明治・大正時代は家督相続があるので、相続人の数が思いの外少なかった。
では、相続人が分かったとして、その方々が協力してくれるか?
してくれなければ訴訟、訴訟できなければ除権決定といういずれにせよ裁判所を通じた手続きが必要になってくる。
判明した相続人さんにお手紙を書き、内容を説明。
手紙を読んで下さった相続人の方が、早速、お電話を下さって、今回必要な印鑑証明まで速やかに取って下さった。
そこまでして下さったので、こちらも迅速に対応。
本日、ご自宅に訪問して、事情をより詳しく説明。ご実印を押してもらい、印鑑証明まで頂くんです、ご不明な点が残らないように出来るだけ丁寧に。
内容はすぐにご理解頂いて、すぐに押印完了。
先に送った手紙にも書かれていた、うちの事務所名である「カルペ・ディエム」の話になり、
相続人さん 「もしかして映画好きですか?」
私 「はい」
相続人さん 「じゃあ、やはりこれはあの映画から? ロビンウィリアムズの?」
私 「そうなんです。高校の頃に観た記憶が何となく残っていて」
相続人さん 「いやあ、いい映画でしたね。お堅い仕事なのに、こういう名前を」
さらに、本日お邪魔したお家というのが、登記簿上の曽祖父さんの住所ととても近く、ご自身はそういうことを知らずに今のお家を選んだのに、とても縁を感じて下さいました。
賃借権を抹消するというのは、賃借権の相続人さんにとってみれば、何の得にもなりません。今回のようにわざわざ印鑑証明を市役所にとって頂く必要もありますし、司法書士に会うという時間まで割かないといけない。
お手紙を送って、すぐにこれだけ優しいご対応頂けることに、本当に感謝です。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐそうぞk