とある郵便局の駐車場から車道に出ようとすると、視線を感じる。
見ると、美しい女性が意味あり気に見つめてくる。
笑顔で近寄ってきて、車のウインドウをノックする。
ウインドウを下げて、「どうされました?」と尋ねると、
「駅の方に行かれます?」と。
事務所に帰ろうとしており、まあ金沢駅の方と言えば言えなくもないので、
「行きますよ」と答えると、
「すみません、乗せて頂けません?」
初めてのことだったので、ちょっとドキッとしたが、「いいですよ、どうぞ」
息が上がりながら、目の前を指さして、「あのバスに乗ろうとしたんですけど、5分勘違いしていて乗り遅れちゃったんです」
「たいへんでしたね」
「私ね、去年まで運転免許証持ってたんですけど、息子に薦められて返納したんです」
10分ほどで駅に到着。
「すみません、お兄さんに何もあげられませんけど」と言って降りて行かれた。
昨今の高齢者による自動車事故のニュースを見ると、免許証の自主返納が望ましい。
が、地方にあって、車は必須である。
まあ、笑顔で、「乗せて」と言えれば、意外と可能になるかもしれませんね。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐヒッチハイクブログ~