「公正証書遺言があるから他の相続人の戸籍等は集めなくていいの?」
こんな質問を受けました。
質問の主は、全部を相続する人であり遺言執行者になっている人。
遺言のセミナーをしていると、そのメリットとして、遺産分割協議をしなくて済むってところを強調したりしますね。
他の相続人と相談しなくて済むってことです。
相続手続きを簡便にしてくれるというのが遺言のメリットであることは間違いありません。まして公正証書遺言なら面倒な検認の手続きも不要です。
相続登記で言うなら、必要な戸籍は被相続人の戸籍と相続する人の戸籍があれば充分です。
ただ、
遺言執行者には「その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない」(民法1007条2項)という告知義務が定められました。
遺言執行者というのは遺言の内容を実現する人です。
相続人(兄弟姉妹は除く)には遺留分があるので、遺留分侵害額請求の機会を与える必要があります。
遺留分がない相続人も遺言がなければ相続する権利があるわけですから、遺言に利害関係を有しているわけです。
したがって、遺言執行者には相続人に告知するために戸籍を集める義務があると言えるでしょう。
遺言執行者は相続人等素人さんが就任することがあります。
手続き執行にご不安があれば、司法書士にご相談ください。
戸籍収集等お手伝いできることはたくさんあります。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ遺言ブログ~