相続を家族を近づけるきっかけに

2022年5月17日

〇〇さんからの紹介で、遺言について母の相談にのってあげて欲しいというお電話。

 

お母さまのご自宅でお話を聞くと、

 

亡きご主人の相続手続きをお近くの行政書士さんにお願いしたら、相続人のお一人の息子さんの所在が分からないのでこれ以上進めることができないということで頓挫しているんです。自分が死んだときはこんな苦労をさせたくないので、遺言を遺してたいんだそうです。

 

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なるほど。

 

と、思う反面、本当のお悩みは、ご主人の相続登記が未了ってことだよね。

 

頓挫している戸籍類を拝見すると、息子さんの戸籍の附票がない。

 

何でだろう?

 

子どもであれば住所を知っていて当たり前。かもしれませんが、相続はケースによっては、甥姪、なんてこともあり住所を知らないということはよくあります。したがって、連絡をとる手段は戸籍の附票を取得して現住所を把握するのです。

 

お母さんに、戸籍の附票を取得してお手紙を書いてみてはいかがですか?と提案。

 

内容は、この相続登記に協力して欲しい旨。遺産分割協議書案の送付である。

 

疎遠になってしまった大まかな経緯は聴きました。

 

聴きましたが、機微はご本人たちにしか分からない部分も多いでしょう。

 

1か月ほど待っても息子さんから返送はありません。

 

もう一度お手紙送ってみようかなと考えていたところに、息子さんから郵便が届きました。押印された遺産分割協議書と印鑑証明書が入っていました。

 

登記を申請するにあたって、お母さまに連絡すると、とても嬉しそうでした。

 

先日、この登記が無事完了して、昨日、お母さまのところへ権利証(登記識別情報)を届けにいきました。

 

スタートだったご主人の相続が解決し、ご自身の遺言について、ようやくお話ができました。

 

何より、これを機会に、息子さんに手紙を書いてみようということでした。相続とは関係なく。

 

それはいいですね。

 

親子の縁は切れませんから、どんなことがあっても、笑。

 

そういえば、以前も、随分前に亡くなったお父さんの相続て、10数年ぶりに兄と連絡をとった。こんな機会がなかったら、絶縁みたいになっていたと、喜んで下さった依頼者さんもいました。

 

相続は、権利がぶつかる面も確かにありますが、離れていた家族を近づけるきっかけにもなり得ますね。

 

相続の話、言い出しにくいな、という方のご参考になれば。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

 

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