日曜日、離婚協議に関して、相談にのって欲しい旨、しかも急を要するとのメール。女性。
ということで、月曜日の仕事終わりに事務所に来てもらうことに。
メールでは、「条件付所有権移転仮登記」について相談にのって欲しいとのこと。
これで大よその予想はつく。実際、そうだったのだが。
離婚を決めたとき、ご自身は家を出ようと決めたそうだ。
が、住み慣れた我が家。何より、子どもたちの生活の基盤である。
もし、可能ならこれからも住んでいきたいという思いが湧いてくる。夫も了承している。
ただ、自宅の名義を夫のまま(持分)ということにはかなりの抵抗を感じる。
そこで、まず考えるのは、「財産分与」を原因として夫の所有権(あるいは持分)を妻に移転する。これには贈与税もかからないというメリットもある。
しかし、既に住宅ローンを完済していれば問題ないのだが、残っている場合、銀行との契約では移転に承諾を要する旨の特約が付いている。
妻に支払能力があれば、借換のように応じてくれることもあるのだが(実際、そういう一連の登記もしたことがある)、通常、妻単独では難しい。
そこで、登場するのが、
「条件付所有権移転仮登記」である。
つまり、住宅ローンの完済を条件に、その完済時に初めて「財産分与」を原因として所有権が移転する。そして、完済前は仮登記で済ませておく。
こうしておくことで、銀行の承諾は不要になる。
住宅ローンが完済すれば、ちゃんと100%の所有権を取得することができる。贈与税もかからない。
これらのことを説明することで、かなり安心して頂けたようだ。
離婚時のマイホームの扱いは常に迷いの種ですね。
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