子どものいないご夫婦の公正証書遺言

2020年1月17日

 

本日は、公正証書遺言の証人立会でした。

 

まだお若い方ですが、思うところがあったんでしょうね? 息子さんたちへの相続手続きを決められていました。

 

 

 

さて、その公正証書遺言。

 

昨日、とある方が事務所に公正証書遺言を持って事務所に来てくださいました。

 

うちが法人化して間もないころに、公正証書遺言の文案作成支援から証人立会までしたご夫婦の奥様です。

 

亡くなられたのはご主人。

 

お互いに全ての財産を相手に相続させるという内容でした。

 

遺言は2人で1枚という作り方はできず、各自が自分の財産をどうするか?という意思を遺されます。

 

持ってきて下さった遺言を改めて見直してみる。

 

どきっ!?

 

今回ご依頼下さった名義変更の不動産と、遺言作成時の不動産が違う。

 

遺言作成当時に持っていたご自宅を売却されて、今のご自宅を購入されていたんですね。

 

これでは、遺言に従って、名義変更ができない?

 

今回、お子さんがいらっしゃらないご夫婦でした。その場合、遺言がないと、奥様と亡きご主人の兄弟姉妹が相続人ということになります(ご両親が既に他界)。

 

こういう場合、配偶者に全て相続させたいという遺志の中には、自分がいなくなった後に、配偶者に自分の兄弟姉妹と遺産分割の話し合いをさせたくない。面倒というか、心苦しいだろう、という配偶者への思いやりの面があります。

 

これでは、亡きご主人の思いやりが叶えられないのでは?

 

これが、どきっ の理由です。

 

しかし、ちゃんと見れば、ちゃんとしている。そりゃ、我々プロが作成支援をしているんですから。

 

明記された不動産を含む”一切の”財産を相続させるという文字。

 

この文言があることで、明記されていない不動産についても名義変更することができる訳です。

 

なら、そもそも全ての財産を妻〇〇に相続させるとすればいいのでは?と思うでしょう。

 

勿論、それでも有効です。そういう遺言も実際多いですね。

 

ただ、実際にその遺言を使って、不動産の名義変更に留まらず、銀行口座の解約、有価証券の名義変更なんていうのは、どこにその財産があるのか分からない。

 

つまり、譲り受ける者、あるいは遺言執行者が財産を探す手間を省いてあげる必要があると思うんですね。

 

だって、遺言は思いやりですから。

 

ということで、今回も、最後の意思表示である遺言に従って、無事、名義変更の登記申請が可能となりました。

 

遺言を作成する際には、司法書士に必ずご相談下さいね。

 

 

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