休眠担保権というものがある。
眠っている担保、つまり大昔に設定され、たぶん効力が無くなって登記だけが残っているような抵当権。そんな感じ。
将来開発するかも?というくらいで手に入れた広大な土地。最初は大手不動産会社が関わったのだが、広大だが田舎で価値が低く、色んなことをキレイにして売買すると、割に合わないということで、休眠担保的なものが付いていることを承知で購入。
購入した上で、ゆっくり消そうと考えた。
買主さんの会社さんが依頼者さん。そういった事情でこれら土地に付いている面倒なものを全部消して欲しいというのがご依頼。急がないから、と。
沢山の登記簿を眺めると、「面倒」な休眠担保的なものは、旧根抵当権、所有権移転仮登記、地役権。
同時並行で進める。
まず、片付いたのは地役権。承役地の所有者さんは既に亡くなっており相続人が全員相続放棄しているというケース。相続財産管理人選任を家庭裁判所に申請。選任された弁護士さんの協力の元、意外とあっさりと消せた。裁判所への予納金が高かったけどね。40万円って。
次は、旧根抵当権。根抵当権者は〇〇村農業会。清算人に選任された司法書士さんの協力でこちらも、思ったほどでなく消せた。
最後は、本日完了した所有権移転仮登記の抹消。仮登記の相続人の皆さんに連絡をとり、事情を説明しご理解を頂いて、押印書類に印鑑を頂く。印鑑証明の取得や事前通知への協力を賜る。全てお願いベース。本当に有難い。
という訳で、広大な土地はきれいになりました。権利的に。
半年で決着したのはかなり運がよかったように思います。
都会生活に疲れた方の移住に使ったらいいような土地ですよ。
司法書士の知識と経験をフルに活用した案件でしたね。
写真はイメージ。今回の土地とは関係ありません。
~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ不動産登記ブログ~