今週は、大学3年生のインターン君が来ていました。
司法書士の仕事は書類を作成することが多いのですが、私はそれらをスタッフに任せていることが多く、事務所にいない時間も多いんですね。
いつものように、夕方事務所に戻ると、スタッフが1日あったことを報告してくれます。
「今日、〇〇君(インターン君)が質問してきたんです」(ちょっとその時点で半笑い)
「郵便の宛名を書くのに、御中がいいのか? 様がいいのか?」と
「法人や組織には御中、個人には様と教えてあげました」と
「そうなんや、それが分かっただけでもうちにインターンに来た甲斐があったね。社会に出たとき恥かかなくてよかったね」 と
「でもさ、それを質問できるってえらいよね」
翌朝、インターン君が来たあとで、みんなが揃ったところで何気に、
「昨日、”御中と様” 問題があったんだって?」と振ってみたら、インターン君は照れ笑い。
冷やかしのつもりは全くありません。
「そもそもさ、御中ってどういう意味なんだろう?」
「・・・・・・・確かに」 とスタッフがネット検索
「”組織の中のひと”くらいの意味のようです」
「へえ、そうなんや」と一同感心。
当たり前のように使っている言葉があります。特に意味も考えず、そういうもんなんだというくらいで。
ちょっと話はずれますが、最近読んだ雑誌にこんな記事がありました。
政府は”やさしい日本語”のガイドライン作りを進めているそうです。NHK の災害速報で「すぐに逃げて!」というのもそういうものだそうです。
つまり、行政言葉では、難しい日本語を理解しにくい子どもだったり、外国人には伝わらないということ。
言葉は手段であって、目的は”伝わる”こと。
司法書士は書類をつくり、そこには言葉が並べられているけど、ちゃんと読んだ人に伝わるものになっているのかな?目の前のお客さんに話したことはちゃんと伝わっているのかな?
自省するいい機会になりましたね。
その後、インターン君にお願いした仕事は、相続案件のお手紙の文案作成。内容は、「ずっと連絡を取っていなかった、もしかしたら存在すら知らない異母兄弟にお父さんが亡くなったことをお知らせする」というもの。
「驚かせないで、こちらを信頼してくれて、もし〇〇君が当事者だったらどんなお手紙がいいか考えてみて」
どんな仕事に就いても、伝え方を考える機会はきっとあるよ。
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