昨日は3連休の最終日。
休日と言っても、小一時間は事務所に来て、仕事とも言えないような雑務をこなすことも多い。
昨日もやっぱりそんな感じ。
午後1時半から1時間ほど事務所にいただろうか?
帰り際、玄関の前。女の子を連れたお母さんと目が合う。
「ちょっといいですか?」
相談を、という意味だとすぐに分かった。
特に、この後、用事があったわけではない。
気になるとすれば、ジーパンによれよれのシャツを着ているということと、無精ひげの顔ぐらいか?
事務所に招き入れ、ミーティングスペースに誘導する。
4人掛けの奥の席に女の子が座って、その隣にお母さん。その対面に私。
ふうっと一息ついて、「7月に夫と離婚しまして」と単刀直入に切り出される。
ちょっと緊張が走る。少なくとも私に。
女の子の方に目をやる。
意味を察したのか? 鞄の中をごそごそとして、スマホを取り出すお母さん。かわいらしいカバーで覆われたスマホである。
それをそっと渡すと、嬉しそうに手に取る女の子。
慣れたようにスマホを扱い、何かを真剣に見ている。
離婚した事情を説明するお母さん。
この後は、私がお母さんにしゃべったことを列挙しよう。
「離婚した後でも、養育費についての協議書を作成することは可能です」
「それには公正証書をお薦めします」
「元ご主人が、最近フリーランスからサラリーマンになったということであれば尚更です」
「もし養育費の支払いが滞るようなことがあれば、すぐに差し押さえることができます」
「取決めは、小学生の間はいくら、中学生の間はいくら、高校、大学・・・と細かく決めることもできます」
「入学時にいくら負担するか?というようなことも」
「一括という方法もあります」
「相手にも生活がありますから、実現可能性のある額、方法である必要があります」
「お互いお忙しいというような事情があれば、司法書士を使うというのも一つの手ですが」
「費用をかけたくないということであれば、直接、公証人役場で相談するというのも一つの手です」
ご自身で所有している不動産の名義について、少し触れて、30分ほどで終わったろうか?
離婚の相談というと、2時間くらい話を聴くというのは決して珍しくない。
今回は養育費ということに心配のポイントが集約していたこと、何より、隣に女の子が座っていたことが大きかったかな。
話が終わると、
スマホを娘から受け取り、「ありがとう」と一言。
女の子は、お母さんがなぜ自分に「ありがとう」と言ったのか?よく分からないような顔をした。
私が、「いい子にして、静かに座ってていてくれたからだよ」と言うと、
かわいらしく笑ってくれた。
お母さんはちょっとだけ付け加えた。
夫婦の生々しい会話を、娘の横でしなければならなかったことへの謝罪もあったそうだ。
意外と思うかもしれませんが、
司法書士は、あるいは、当事務所は、離婚の相談が多いんです。
ただ、
平日にご予約頂くことをお薦めします。
なぜか?
司法書士がちゃんとスーツを着て、髭を剃っていること。
パートナー司法書士が美味しいコーヒーを淹れてくれること。
私が即答できないことを、彼女がパソコンでさらりと調べてくれること。
男性の私には話すのに抵抗があれば、彼女に代ってもらえること。
とは言え、まずは誰かに話してみませんか?
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