本日は、失敗と成功の高低差がある1日。
結果、笑えれば、OKである。
そんな今日の最後の仕事は、相続のご相談。ご自宅で。
兄弟姉妹でこれから遺産分割協議を始めるそうです。その心づもり的なご相談。
話を聴いていくと、どうも1つの誤解に気づいた。
それは、兄弟姉妹の法定相続分は均等である。(民法900条)これ自体は何の間違いもない。
が、民法のどこを探しても、この法定相続分に従って分けなさいとは書かれていない。つまり、兄弟姉妹きっちり均等に分けなければいけないわけではありません。
では、民法にはどう書かれているのか?実は1文だけ。
「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」という1文だけ。
民法906条。
簡単に言うと、遺産の性質と相続人の状況等を考慮して、相続人でじっくり話し合いしなさいということ。
例えば、今日の相談で出た話だが、
相続人の1人のご自宅の敷地は、今回の遺産の1つ。なら、その建物の所有者である相続人がその敷地を相続するというのは、うーん自然だよね。
他の相続人は皆、既に自己所有のお家を建てている。ならば、残りの1人が、亡き両親のお家に住みたいというご意思を持っているなら、その方が相続するというのも、うーん決して不自然じゃないよね。
もし、それら不動産の客観的価値に差があったとしても、無理やり均等にするのではなく、そういう意思や必要性を考えて、相続すれば、主観的には均等に近づくのかもしれませんね。
収益物件もある。唯一お金を生み出す不動産である。お金は非常に分けやすい遺産である。これらが調整として働く可能性も高いよね。
売却した場合、その売買代金をこう分けるというようなことを明記しておくのも大事。
そんなことやらを念頭に来たる遺産分割協議に臨んで下さい。
当日、同席を求められたので、オブザーバーとして参加することを約束。
決して相談者さんの代理人ではなく、事情説明に終始します。
正しい情報に基づく土俵を作り上げてから、じっくり話し合いましょう。
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