司法書士が不動産登記をする際、まず1番に気になるのはお金のことである。
権利保護ということは当たり前。
儲けたい!
ということではなく、登録免許税という登記の際にかかる税金のこと。
最初に見積もりを作るので、早い段階で、正確な答えが求められる。
この辺が、司法書士試験と実務の決定的違いである。
例えば、司法書士試験では、売買を原因とする所有権移転の登録免許税は不動産評価額の2%であると覚える。
が、実務では、
居住用に所有する場合、住宅用家屋証明というものが取れれば、実に0.3%まで下がる。
ついでに、住宅ローンとセットの抵当権設定登記の登録免許税も債権額の0.4%から0.1%に減税されるからかなり影響が大きい。
これが取れるケースなのか?どうか?ということがかなりの関心事となるわけです。
減税になるケースでした、と後から言い出したら信頼失う可能性がありますからね。
ここんとこ、一旦立ち止まって考えるケースが出てきたので、この機会に思いつくまま書き出してみよう。基本、レア関係なく。
住宅用家屋証明というのは、その名の通り、住宅用(居住用)に買うなら登録免許税安くしてあげるから、どんどん居住用不動産買ってねという政策によるもの。
ゆえに、①まずは住民票の住所をその売買物件の所在地に住所を移すのが基本。
まだ住んでいないのにいいの?と思われるかもしれないが仕方がない。売主と買主同じ住所だけどいいの?と思われるかもしれないが仕方がない。
②決済の日に間に合わず、上申書を付けて証明を取得することもある。
③例えばローンの債務者が息子で、親も幾らか支援(住まない)するということで、所有権の持分が息子3分の2、父親3分の1とすると、所有権移転の減税はこの3分の2に該当する部分にだけ使える。抵当権設定は影響なく全部に使える。
④現在マンションに住んでいて、一軒家を取得してそこに移り住むとする。ローンを組んだ銀行がこの元々住んでいたマンションにも抵当権を付けたいと言ってきた場合、こんな場合にも住宅用家屋証明はとれるの?こっちは住宅用でも何でもないけど。
結論はOKである。あくまでも今回取得する物件が居住用であれば、共同担保として別物件があったとしても構わない。
故に今回の物件に住所を移すのです。つまり別荘を買うみたいなのには使えないということですね。
④中古物件を購入する際に築20年内という基準があるんですが、耐震基準適合証明書というのを建築士さんに出してもらえると、それを超えても大丈夫。
⑤増築を伴うようなリフォームをする場合にローンを組んで抵当権を設定する場合にも使えます。
この他にも床面積だったり、店舗と併用する場合は?とかケースに合わせて考えないといけないことが結構あるんです。
お金のことはシビアになりますね。
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