本日最後は、相続放棄のご相談。今日すぐに相談したいということで、時間を確保。
被相続人が亡くなってまだ1週間も経っていない。
相続財産は多くなく、逆に銀行さんにカードローンの借金が数百万あるそうです。
相続放棄は、相続人としての地位そのものを放棄する制度、家庭裁判に申述する必要があります。
こういう借金があることが分かってから3か月以内に申立てる必要があります。
ただ、今回、傷病手当金が受け取れると聴いたそうで、そのことと相続放棄について聴きたかったそうです。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
被相続人が受け取っていない部分があるのであれば、相続人が手続きをとれば受け取れます。
相続放棄は、相続人としての地位そのものを放棄する制度で、相続する意思を示すような行動を取ると、相続放棄の手続きが取れなくなります(単純承認)。
相続人が傷病手当金を受け取る手続きをとることは、この単純承認に当たります。
生前、傷病手当金を受け取っていたということであれば、受け取っていない部分というのはそんな高額にならないと思われますが、借金の額と比べる必要がありますね。
今回、少額であるということを既に把握されていらっしゃったので、相続放棄をする方向で進めるそうです。
相続放棄は家庭裁判に申述する制度ですから、司法書士の業務です。
しかし、その手続き自体はとてもシンプルなので、一般の方でも十分できます。
したがって、当事務所では、相続放棄の手続きの流れを大まかに説明して、ご自身でやってみることをお薦めしています。
相続財産に借金が多い場合にとられることの多い制度ですから、あまり費用をかけたくないという心理も理解できますしね。
どうしても難しいとか、面倒という方は引き受けております。
ただ、一度チャレンジしてみて、と言って、難しかったからお願いという方は今のところいません。
当事務所で受任することの多いケースは、3か月の期限が迫っていたり、かなり高齢の方の場合です。
もっとも、相続放棄すべきかどうかはとてもナイーブな問題なので、司法書士に相談することをお薦めします。決して、一人で判断しないでくださいね。方針が決まったら、ご自身でやればいいんです。
うちは相談料も取りませんが、たとえ取られたとしても、結果損ではないと思いますよ。
今日の相談者さんも、不安に思っていたことを全部聴けたってとても喜んで下さいました。
いい仕事だな。
司法書士って。
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