本日、最後のお客様は、28歳男性。
事業の法人なり(株式会社設立)。
押印が済むと、「会社になるのに3年かかりました、笑」
出会いは、もっと前。大学を卒業したばかりの頃で、夢を熱く語ってくれていました。そんな中、もしかしたら冷や水をかけちゃったかもしれない、そんな面談でした。
「もし起業するんだったら、ちゃんと稼いでね、堂々と」
当時、社長だけはきらきらした夢を語り、それに関わるスタッフからエネルギーを搾取するようなトラブルの訴訟を抱えていた私は、経営者は夢だけじゃなくて、ちゃんとそれを現実にして、係わる人たちを幸せにする責任があるだろうと思っていた。
ので、そんなことを彼に語っちゃったんですね。偉そうに。
でみ、今でも思っています。起業する以上、堂々とちゃんと稼ぐ責任があると。
「あの時、あまりお金儲けは考えていませんでした。でも、友達と起業した以上は、その友達を安心させてやりたい。だから、ちゃんと稼ごうと思いました。起業して会社化するのに3年かかりましたけど」
「僕は、法人成りするのに5年かかったけどね」(苦笑)
「先生に登記してもらえるようになって嬉しいです」と。
(ありがとう、僕も、嬉しいよ)
そう言えば、昨日、不動産売買の立会があったんですね。
買主さんは、とある町工場の社長さん。
決済場所は、社長さんのご自宅。それは立派なご自宅。
手は、機械油がしみ込んで、黒くなっている。特別の洗剤を使っても完全に落ちないそうです。
「わしも、先生みたいに綺麗な仕事がしたかったわ」と。笑いながら。
物理的に汚れないという意味ですが、たぶん、ご自身の仕事に間違いなく誇りを持っていらっしゃいます。
そして、とっても稼いでいらっしゃることも、ひょんな会話からも知っています。
「金を儲けることはできてもな、たまに、思うんや。俺の人生って何やったやろう? 休みもせんと」と。
でも、嬉しそうでした。
社長はちゃんと稼いで、周りを幸せにして、そしてやっぱり自分も幸せにして欲しいものです。
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