相続登記と時効取得

2021年6月30日

昨年末、「なかのと相続相談室」 

 

からのお問い合わせで相続登記を受任しました。

 

「なかのと相続相談室」は私のふるさと中能登で行っている相続相談です。

 

そのご依頼自体は、最近亡くなったお父様名義の不動産の相続登記をしてほしいというもの。相続人も子ども3名というシンプルなものでした。

 

しかし、不動産を調査する中で、1番重要なご自宅の敷地が他人名義であったことが判明。

 

他人というのは言い過ぎかもしれません。相続関係にない親族。互いに会ったことも、存在すら知らなかった関係でした。

 

行ったこともない山林とかなら無視するということも考えられますが、

 

そこはご自宅の敷地です。端とかでなく底地そのものです。

 

というわけで、ご依頼は、その他人さんから不動産を取得する登記へと発展。

 

名目は「時効取得」です。

 

長年、そこを自身のものと思って所有してきたことから、所有権を取得しましたということ。

 

市役所すらそのことを把握せず、依頼者さんの祖父・お父様に固定資産税を課してきましたし、何より自宅の底地ですから、時効取得が認められることはほぼ明らかです。

 

戸籍の調査から、その他人さんも既に亡くなっており、その子、孫のご協力が必要なケースです。

 

まずは相続人の皆様へ連絡。戸籍の附票から住所は分かるのでお手紙を書きます。

 

依頼者さんも相続を機にこういう事情を初めて知ったこと、時効取得で名義を変えたいことを丁寧に説明します。

 

この方たちは2代前から石川県を離れており思い入れのある地では既になくなっています。

 

自分たちのものとして固定資産税を請求されても困るという事情もありますが、何より依頼者さんの事情をよくご理解くださりました。

 

子どもにあたる方が音頭を取って下さり、お孫さんたち(甥っ子、姪っ子)さんに協力してあげるようご尽力して頂きました。

 

相続人の皆様がご協力頂けるという確答を頂けたので、改めて押印書類(登記原因証明情報と委任状)を郵送し、ご返送を待ちます。

 

この登記には皆さんの印鑑証明が必要で、平日に市役所等で印鑑証明を取ってきて頂くというご負担をおかけします。皆さんには何のメリットもないのにです。

 

相続人の皆さんからご返送頂けると、いよいよ登記申請です。

 

が、ここでも1つハードルがあります。

 

今回のように権利証がない場合は、事前通知という制度を利用せざるを得ません。

 

事前通知というのは、この登記が申請されているけど間違いない?という問い合わせが法務局から届くのです。

 

それに答えて法務局に返送するんですが、別に返信用封筒がついている訳ではありません。しかも2週間以内という制限もあります。

 

そこで、例えば「6月10日に申請します。法務局から通知が届くので、回答して(署名・押印)して返送してください」と添えて、法務局宛ての封筒も送っておきます。

 

これらのハードルを全て超えて漸く登記が完了します。

 

その登記が先週末完了し、ご依頼者さんに新しい登記識別情報(権利証)をお渡しすることができました。

 

そのあとのお礼がたいへん嬉しかったです。

 

弊所に依頼して本当によかったという内容でした。

 

ご協力くださった皆様にお礼がしたいけどどうしたらいいでしょう?という質問もありました。

 

とかく権利が強調される時代ですが、

 

困ってるんだから協力してあげよう、協力してくださったんだからお礼がしたい。

 

良心と良心が触れ合うように思えて、とても気持ちのいい仕事になりました。

 

不思議なもので、

 

明日、別件で「時効取得」のご相談を受けます。内容はほぼ同じようです。別の司法書士事務所さんからのご紹介。

 

続くものですね。

 

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

相続登記の義務化セミナー内容④

2021年6月3日

今日は、セミナー講師の日。

 

北國銀行小松中央支店さんで、「相続登記の義務化について」

 

多くの参加者があってとてもいい雰囲気でした。

 

 

さて、このセミナーの内容を紹介する第4弾。本日が最後。

 

ご自身の相続で遺産分割協議が難しくなりそうだなって不安に思われる方は、今のうちに準備しておいてはいかがでしょう?

 

という前回のつづき。

 

遺される人たちを思い浮かべ、今からできる準備とは?

 

①遺言を残しましょう。

 

そもそも遺産分割協議をする必要が無くなります。遺される人にとってみればとても手続きがシンプルになります。

 

②家族信託という方法もあります。

 

セミナーでは詳細は割愛するのですが、信頼できる人に生前から財産を託し、その後の財産の行方も決めておくという方法です。

 

③財産目録やエンディングノートはいかが?

 

①や②の法律行為までいかないまでも財産目録を作っておくのはいかがでしょう?

 

子どもは意外とお父さんやお母さんがどこの銀行口座をもっているのか知らないものですよ。

 

財産目録と言っても難しく考えず、1枚の紙に、口座を持っている銀行・支店の列挙、可能なら口座番号も。保険会社や証券会社も。不動産がどこの市にあるかだけでも分かれば、調べる手間はぐっと減ります。

 

あと、モノではなく、思い・気持ちを伝えたいのであれば、エンディングノートという方法もあります。

 

そして、

 

もしかしたら、これらより大事かもしれないものとして、

 

④ 生前からコミュニケーションをとっておくということ。相続の話題はとてもナイーブだし、子どもさんも聞きたくないかもしれません。でも大切なことですよ、とお伝えしておきます(当職自身ができているかは別として)。

 

最後に、

 

⑤ 司法書士と仲良くなっておくことを勧めています(オチ)。

 

司法書士は相続税の申告とがっつり喧嘩になった場合の訴訟代理のこの2つはできません。

 

逆を言えば、それ以外はほとんどできます。

 

そして、司法書士は必ず仲間に税理士さん弁護士さんがいます。

 

相続相談の窓口としては最適であると自負しております。

 

でも、司法書士も知らないよ、という方も大丈夫です。

 

司法書士法人カルペ・ディエム があります。

 

ラテン語で “ いまを生きる ”

代表司法書士 金氏克弥(かなうじ かつや)

石川県金沢市北安江三丁目13番16号

TEL 076-255-0842

 

ご清聴ありがとうございました。

 

次は、6月10日(木)15時~ 北國銀行 七尾支店

 

 

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