有名司法書士のブログだから間違いない

2020年7月22日

司法書士は登記の専門家である。少なくとも依頼者さんの前ではそういう顔をする。

 

が、何でも頭に入っている訳ではなく、自信がなければ調べる。

 

たぶん、多くの司法書士は、ネットに向かう。

 

で、大抵は他の司法書士のブログに行きつく。

 

その内容を参考に、おそらくそこに記載されている条文・書籍等で裏をとる。

 

 

 

相談者さんとの面談が終わり、デスクに戻ると、うちの司法書士君が何やら深刻な顔をして電話をしている。

 

漏れてくる内容から法務局からのようだ。

 

そこは余事記載で・・・・云々  同意書には実印が押されていて印鑑証明もついているから問題ない・・・・云々

 

ちょっと、相談してみます。ガチャと受話器を置く。

 

司法書士君が私の方を向いて、「申請している〇〇財団の代表理事変更登記で理事会議事録に議事録作成者の実印を押さないとだめじゃない?と言ってるんですが」

 

詳しく言うと、現在のコロナの影響もあって、理事会やら社員総会やらを書面で決議せざるを得ないケースが多くなっている。

 

こういうのをみなし決議っていうんですが、法律もそれを認めていて、理事会決議であれば、理事全員の同意があればOKです。

 

代表理事改選がある場合(重任ではない)の理事会議事録には、出席理事の実印が必要で印鑑証明もつけていくというのが原則です(規則61条6項)。

 

しかし、出席とあるように、現実に理事会を開く場合を予定していて、今回のようなみなし決議には当てはまらない。

 

理事全員が書面決議の同意書に実印で押印して、印鑑証明をつけていれば理事会議事録の印鑑に制限はない。

 

つまり、司法書士君の主張は正解である。

 

が、法務局は、そのことが書かれている書籍やら先例が欲しいと言っているそうである。

 

で、

 

司法書士君、ネットに向かう。やっぱり。

 

ハハハハハ

 

笑い出す、司法書士君。

 

「こんなブログの記事が出てきました」と、見てください的にパソコンを私の方に傾けてくる。

 

覗き込むと、

 

「代表理事をみなし決議で選任」というタイトルのブログ記事。

 

書いているのは、金沢市の司法書士が繋ぐ路アメブロ

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

アハハハハハハ

 

「法務局に言ってやったらいいよ。有名司法書士のブログに書かれていましたから間違いないですって」

 

そう、

 

金沢市の司法書士が繋ぐ路アメブロは、司法書士法人カルペ・ディエムの前身である路法務司法書士時代の私のブログである。

 

という訳で、ブログの記事をコピーして、私自身が法務局に説明に行きました。

 

もちろん、ブログコピーの他に、他の書籍のコピーも持って。

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ法人登記ブログ~

 

 

 

 

抹消登記を求める裁判が結審。

2020年7月21日

今日は、朝一、金沢地裁へ。

 

ロビーで依頼者さんと待ち合わせ。

 

開廷20分前。ロビーのソファーで、ファイルを手渡して、簡単に説明。

 

「裁判官が訴状を陳述しますか?と聴いてきたら、ハイと答えてくれれば大丈夫です」

 

少し緊張しながらも、「わかりました」と依頼者さん

 

約1年前に話は遡る。

 

10年ほど前、お父様から不動産を相続した。そのときはあまり気にも留めていなかった。

 

その中の不動産を売却することになった。

 

不動産屋さんを介して、土地に賃借権が残っていることが判明。

 

不動産を購入する側にとって、登記簿上とはいえ、賃借権が残っているのは気持ちよくない。不動産屋さんにとっても、たぶん許されない。

 

依頼者さんが、賃借権の相続人さんに話を持っていくが、前に進むことはなかった。

 

新たに仲介することになった不動産屋さんを介して、当職に声がかかる。

 

かつての賃借権の相続人さんも亡くなっており、更に次の世代になっている。

 

依頼者さんと一緒に、賃借権の現相続人さんのお一人に会いに行く。

 

賃借権の抹消にご協力頂けるということだが、他の相続人のご意向は不透明ということ。実際、ご協力は得られなかった。

 

実印の押印と、印鑑証明の取得のハードルが高かった。

 

協力することで何かしらのメリットがあればよいが、特にない。面倒だし、気持ちのいいものではない。

 

皆さんのご先祖さんがやり残した登記義務を果たしてください、と言ってもご理解頂けないでしょうね(実際は言っていない)。

 

仕方ない。次善の策。

 

それが、裁判である。

 

昨年末、訴状作成代理のご依頼を正式に受ける。

 

その前に、裁判やってくれません?と弁護士さんにあたったのだが、提示された見積と依頼者さんのご意向が合わず断念。

 

司法書士は140万円までの訴訟であれば、依頼者さんに代わって簡裁に立てる。

 

しかし、それを超える訴訟では代理人になれない。

 

しかし、全くお役に立てなくなるかと言えば、そうでもない。

 

訴訟代理人にはなれないが、訴状等作成代理人にはなれる。

 

何が違うのか?

 

本人さんが裁判所に立つが、提出する書類(訴状等)を司法書士が代わって作成するのである。

 

相手方(被告)と高度なやり取りがあるケースではお薦めしないが、今回のように結論がはっきりしているものであれば、その方法もありだと思う。

 

今回は、登記簿上、賃借権が存続期間を満了していて抹消されていることがはっきりしている。

 

コロナの影響で、最初の期日が2日前になって延期になるというハプニングもあった(これにより、再度被告たちに送達が必要になり、数万円余分にかかった)が、

 

本日、ようやく最初の期日を迎える。

 

「訴状を陳述しますか?」裁判官

 

「ハイ」と頷く依頼者さん。

 

予定通り、相手方全員欠席してくれて、最初の期日を持って、訴訟は終了。結審。

 

判決はお盆明け(長い)。

 

その後、被告全員に判決書が届いて、2週間後確定。

 

確定後、漸く、賃借権抹消登記が申請できる。

 

依頼者さんは、時間がかかったが、決着の目途がたったので安心しましたと仰っていた。

 

私もホッとした。

 

午後からは、不動産売買の決済立会である。オーソドックスな司法書士の仕事に戻れる。

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

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