遺産分割協議には想像力が大事

2017年1月26日

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今週の火曜日から明日の金曜日まで、1人事務所に戻っている。

 

パートナー司法書士が4日連続で名古屋出張。

 

というわけで、ちょっと前まで普通だった、24時間電話転送。

 

1人で面談し、1人で登記書類を作り、1人で申請し、1人で補正し、1人で取材に応じる。

 

同時に複数のことに気を配ることがこんなに大変だったんだと、人は簡単に忘れるものである。簡単に。

 

先回りして色々やってくれていたんだなあ、と。

 

これをしておくといいよね、っていうのは想像力ですよね。優しさと言ってもいいし、思いやりと言ってもいいし、仕事がデキルと言ってもいい。

 

 

本日、午後は、相続登記のための戸籍類の収集のため、石川県を北上。市役所のはしごである。

 

運転中は、明後日の「相続・遺言・成年後見セミナー」の一人リハーサル。

 

このブログを読んで下さる方は、たぶん明後日いらっしゃらないでしょうから、ちょっとだけネタバレ。

 

劇団員さんたちが6つの事例をショートムービーという形で演じてくれます。それに私が解説を加えるんですが。

 

その1つの事例。たぶん肝入り。

 

お父さんが亡くなって、司法書士のところに相談に行くと、先妻さんとの間に娘さんがいたことが判明。その娘さんが突如現れ、今の家族と遺産分割協議が始まる。

 

この遺産分割協議はモメる?モメるとすればその理由は?モメない方法は?事前に対策はとれた?

 

これを題材とすることに、司法書士の上役の方たちは喧々諤々の議論をやったというから、司法書士って本当に真面目だなって感心します。

 

つまり、先妻さんとの間の娘さんが悪者に描かれるのではないか?市民の皆さまに誤解を与えるのではないか? 真面目だし優しいですね。

 

でも、その通りだと思います。

 

私の担当する解説も、そこが肝だと思っています。

 

遺産分割協議をモメさせない絶対的な方法なんてありません。どんな場合にも対応できる汎用性抜群の方法なんて。

 

でも、敢えて1つ挙げるとすれば、先ほど言った、想像力だと思っています。

 

こういう場合、ついつい平和を乱す存在としてこの娘さんをとらえがちですが、

 

今の家族は、亡くなったお父さんがお母さんと作ったお家で安心して暮らせてきたのに対して、もしかしたらその娘さんは寂しい幼少期を過ごしたのかもしれない。

 

もちろん、新しい優しいお金持ちのパパと幸せに暮らしてきたかもしれないし、それはケースバイケースですが。

 

これまでどんな暮らしをしてきたのかに耳を傾けてみることから始めてもいいのではないでしょうか?

 

もし頑なに相続権を主張するとすれば、その理由は?

 

それな娘さん側もそうですよ。なぜ、この家族は自分に冷たく接するのか?もしかしたら驚いているだけなのかもしれない。

 

お互いが相手の立場を想像して、ちょっとでも譲ろうという姿勢が見えれば、遺産分割協議はもう少し違った結果を見せるのではないか?

 

もう少し生々しい話をすれば、

 

1人でもウンと言わなければ、遺産分割協議って終わらないんですよ。じゃあ、裁判所まで持って行く?お互いが弁護士を立てて。

 

お互いがそんな費用をかけるなら、その費用で調整を計ったらいいのにって、思うのは私だけ? じゃないよね。

 

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死後離縁は相続に影響するのか?

2017年1月24日

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僕がブログを書く理由。

 

それは、事務所のホームページを見て欲しいからだよ。と、あまりに率直に言ってしまうのも格好良くない。

 

取り組んだ司法書士業務についての記事については備忘録。言葉にすることで頭が整理される。これからのことを書けば、それは宣言となる。そういう側面があるのも事実で、嘘ではない。

 

 

今日という1日に、そんなブログが起こした2つの事件。(事件というのはかなり大袈裟)。

 

昨日書いた記事(宣言の方か?)を前向きに解釈くださって、メッセージを下さった方がいました。

 

かつて司法書士を目指していたそうで、また勉強してみようかな?と。

 

士業は食えないというマスコミのネガティブキャンペーン。大切な時間と労力を割いて掴んだ先の未来が明るくないとしたら、モチベーション上がらないですよね。

 

そんなことないです。司法書士はとても楽しくできる仕事です。

 

僕が書いた記事で、司法書士業務に可能性を感じてもらえたのであれば、とれも嬉しい予期せぬ効果です。

 

 

もう一つは、大阪在住のお会いしたことのない司法書士の先生から電話を頂きました。

 

3年ほど前にアメブロで書いた記事について。

 

タイトル「死後離縁と相続のお話」

 

ご相談だったみたいですが、当時の記憶が曖昧な私は、彼をがっかりさせてしまったかもしれません。結果、貴重なご忠告になりました。

 

読み直してみましたが、なかなかいい記事です(笑)。

 

備忘録になってないやんけ、という一人ツッコミ。

 

話はこう。

 

養子縁組をして養親が死亡すると、その養子は相続人になります。実子と全く同じように。

 

養子縁組を解消することを離縁と言います。生前これをする際は、両当事者の同意のもと役場に届け出ることで可能です。

 

しかし、一方が死亡した場合に解消する死後離縁の場合、裁判所の許可を得る必要があります。

 

 

先のブログ記事は、この死後離縁をすると、相続人でなくなるの?というテーマで書いた記事です。

 

記事の最後に、ご丁寧に、司法書士金氏克弥はこう断言しています。

 

死後離縁は相続には影響しない。と。格好いい。

 

つまり、死後離縁をしたとしても、養親が亡くなったそのときは、養子であったことに変わりはないから、養親の相続人だよ。ということ。

 

つまり、死後離縁は相続には影響しない。

 

間違っていない。

 

が、結果、言葉足らずになっているというご指摘、ご忠告。有難いことです。

 

正確に言えば、死後離縁は既に発生している相続には影響しない、です。

 

ご指摘下さった先生が現在抱えている案件は兄弟姉妹間の相続。その中に養子縁組を機会に弟になった方がいる。

 

その養子の弟が、養親が死亡した後でこの死後離縁をしたそうである。

 

死後離縁をした結果、親族との関係は切れるので、例えば、兄が死亡した際に起こる兄弟姉妹間の相続においては、かつて養子だった弟は相続人にはならない。ということである。

 

なるほど。

 

このケースでは、死後離縁は相続には影響しない、は間違いということになる。

 

補うなら、死後離縁はその後に発生した相続には影響する、ということになろうか?

 

 

ブログを書いていると、ときどき面白いことが起きるものである。

 

これからも書いていくんだろうな。

 

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