地方の相続①

2021年12月16日

先日、「なかのと相続相談室」のサイトに興味を持って下さった新聞記者さんが事務所に来られました。

 

地方における相続をテーマに記事を書かれる予定だそうです。今週末、相談者さん側からも話を聞いてみたいとのことで、取材される予定です。

 

取材に答えているうちに、私の相続への考え方が整理されてきましたね。

 

相続というのは、家族を構成する人の価値観、感情、現実のすり合わせじゃないかと思うんです。

 

時間軸でいえば、祖先から、祖父母、両親からの繋がり。家族の思い出、ふるさとへの思い。今ある家族との生活、仕事の現実。こらからの将来設計、夢。

 

それらのすり合わせ。衝突となりそうなところを「家族」ということで乗り越えていく作業かなと思うんですよね。

 

 

では、地方、田舎に現れやすい特徴は何でしょうか?

 

家を継ぐという慣習が良くも悪くも残っていること。山や田畑、自宅でさえ不動産の資産価値が低くすぐには売れないという現実。ふるさとということ。

 

これらが影響しあって複雑になり、100ある家族に100の相続があり、一般論で語るのはとても難しいことだと思っています。

 

親の世代からすれば祖先から引き継いた不動産を子供に引き継いでもらいたい。逆に自分はそれで苦労したから子供にはそんな苦労はかけたくない。

 

自分は長男だから無理をしてでも継がないと。なんで俺だけが売れもしない、固定資産税もかかる不動産を相続しないといけないんだ。

 

兄さん申し訳ないけどこの実家を守って欲しい。帰ってくるふるさとを残していて欲しい。そのための支援をするよ。

 

兄さんばかり不動産を相続してずるい。俺には少なくとも法定相続分に相当するお金は用意してくれよ。ふるさと、実家なんてどうでもいいから、今、子供にお金かかるんだ、仕事が上手くいってなくて、売れるなら早く売ってお金をくれよ。もうふるさとに戻ることはないよ、仕事もないし、もっとしたい仕事が東京にあるんだ。

 

逆に今は仕事で東京にいるけど、定年したらふるさとに帰ってきたいんだ。

 

いろんな価値観がその人にはあるんです。そして、その価値観は時間が経つと変わってくるのに、相続は今の問題としてそこにある。難しいですよね。

 

今回はこのへんで。

 

次回は司法書士の役割と、わたしどもの取り組みを話してみたいですね。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

「なかのと相続相談室」と公正証書遺言

2021年12月13日

2年ほど続いていた公正証書遺言作成支援が完了した。

 

最初は、「なかのと相続相談室」ご予約の電話。

 

相談場所は私の実家の信光寺の一室。会社の経営者さん。自身亡き後の会社の事業承継と家族の心配。

 

コロナやご自身のご病気、家族のご病気もあって保留状態を挟みつつ。

 

そんなこともあって、当初思っていたのとは違った形になっていましたね。

 

でも、付言事項に優しい文言が入り、当初よりずっとステキな遺言になったように思います。

 

最後は公証人役場。弊所司法書士2名の証人同席の元。

 

公証人役場を去るときの依頼者さん

 

「金氏(かなうじ)さん、ありがとう。私ね、金氏さんが司法書士というより浄土真宗のお寺さんの副住職ってとこに惹かれたんよ」と。

 

そうでしたか、笑

 

翌日、ふたたび「なかのと相続相談室」

 

今度は東京にお住まいで、亡きご両親が中能登出身という方。キレイに整理をしたいそうです。

 

~石川県金沢市の司法書士がつなぐ相続ブログ~

 

 

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