3月というのに、本気モードの雪。
朝一、公正証書遺言の相談者さんのご自宅へ。
相談者さんは、お子さんがいらっしゃらない夫婦の奥様。
内容はシンプルに全ての財産をご主人に相続させたい、というもの。
まずは、どうして遺言を残されたいのか?というお気持ちをお聞かせ頂く。
やはり、自身が亡くなった後に、ご主人がするであろう相続手続きを少しでも楽にしてあげたいというお気持ち。
夫婦といえど、全ての財産の所在を把握しているわけではありませんからね。
さらに、お子さんがいらっしゃらない場合、自身が亡くなると、相続人は配偶者と兄弟姉妹(両親がご存命であれば両親)。
配偶者と兄弟姉妹が遺産分割の話し合いをしないといけない。
想像してみて下さい。配偶者とすれば、結構たいへんですよ。
しかも、兄弟姉妹には遺留分(遺言があっても最低限相続できる持分)がないので、遺言があれば配偶者は安心です。
どういう財産があるのか?
全ての財産を相続させるわけですから、具体的な記載をする必要はないようにも思えますが、
先のお気持ちからすれば、ご主人にそのことを知らせるという意味が出てきます。
また、公正証書遺言の場合、財産の額と分ける人数によって、公証人役場に支払う報酬額が決まるのである。
亡くなった後の供養のこと、遺言執行者(遺言を実現する代理人)をどなたにすか?等々の話がつづく。
遺言のご相談は1度で終わるわけではない。何度かの打ち合わせが続くと思って頂いた方がいいです。
今回の相談者さんもそうでしたが、メディアによる終活の情報から、自分も綺麗に始末を付けていきたいと思われたようですが、メディアはどうしても一般論になりがち。
セミナーであっても、大多数に向けてですから、どうしても一般論寄り。
しかし、遺言はケースバイケースで、謂わば、その方に合ったオーダーメイドである。
テレビで言っていたように、こうすればいいよねと思っていたとしても、司法書士の質問やら回答やらで、考えないといけないことが出てくるものです。
私から出した宿題はこう。
もし、ご主人が先に亡くなられた場合は、どうしたいのか?
遺言に温かみを添えるための付言事項(メッセージ部分)をご自身で考えて頂く。
葬儀の方法等々、もしかしたら遺言とは分けて、手紙やエンディングノートの類でカバーするといいかもしれないというようなこともアドバイスとして加える。
付言事項はプライベートな部分でもあるので、手紙やエンディングノートに書くと薦める方もいます。
これら宿題ができたら、また呼んで下さいとご自宅を跡に。
そうそう、最後にどうしたもしたかった質問を1つ。
「どうしてうちの事務所を知ったんですか?」
「電話帳を上から何軒かかけたんです。そしたら、1番対応が優しかったから」
「タクシーで事務所に行くと言うと、来てくれるとも仰って下さったし」
(・・・さすが、うちのパートナー司法書士である)
事務所の形を完成させてくれる。
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