相続時に家族を驚かせないために

2017年11月30日

昨夜、20歳になったばかりの女性に、亡くなったお父様の相続のことで、そもそも相続について、そして今後の流れについて説明させて頂きました。

 

さらに言えば、何で、司法書士なの?から。

 

先日、同年代とも言える高校生たちの前で、「今日、司法書士って初めて聴いた人?」と手を挙げてもらったら、予想通り、ほぼ全員でしたから。

 

そして、亡くなったお父様というのが実のお父様で、今回の相続まで、その存在すら知らなかったという事情を抱えていました。

 

今のお父様に大切に育ててもらったわけですから、実のお父様という言い方が正しいのか?分からなった私は、その旨前置きして、お父様を名前で呼んで説明することに。

 

今回、他に未成年の相続人がいたりして、特別代理人のことも説明しなければならなかったのですが、一所懸命理解してくれようとしてくれました。

 

お母様から事前にある程度のお話をして頂いていたので、冷静に受け止めてくれました。

 

気持ちの整理もついている、とのことです。

 

相続は手続き的な側面も強いですが、根底はとてもナイーブです。

 

関わる人のお気持ちに十分配慮する必要がありますね。

 

 

 

続いて、本日朝一は、別件の相続のために依頼者さん宅へ。

 

こちらは、亡くなったご主人から他県にある不動産について聞かされていなかったために、相続の段階でとても驚いたというもの。

 

息子さんが一所懸命書類を作成し、集めてくれたので、漸く申請に漕ぎ着ける。

 

ご自宅まで印鑑を貰いに来た私に、

 

「本当はこちらから伺わないところ、ありがとうございます。これで主人も安心すると思います」

 

と、とても温かく労って頂きました。

 

 

 

相続では、相続人を驚かせてしまう事態というのは、ままあることです。

 

終活という言葉がもてはやされている昨今ですが、1番の終活は、家族でコミュニケーションをとって、財産の存在はもちろん、自分のお気持ちを家族で共有しておくことが大切ですよ。

 

 

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相続登記

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

「賃借権の抵当権に優先する同意の登記」って知ってる?

2017年11月27日

ここ毎週月曜日、仕事の合間に歯医者さんに通っている。

 

その歯医者さんには新人歯科助手さんがいて、基本目をつむっている私の周りで会話が繰り広げられている。

 

歯に詰め物をするらしく、先輩助手が練った何か(見えていない)を後輩助手が私の口に運ぶ途中(たぶん)、

 

「あっ、落としました」

 

「えっ?落としたの?」とまた練る先輩(たぶん)。

 

続いて、歯の型を取るために、何か固まる系のものを口に入れ、歯の上でしばらく押さえている。

 

5分ほどして、固まったものを口から取り出し、先生に見せ、

 

「はい、やり直し」

 

・・・・・・・

 

「もう1回取りますね」と先輩助手。

 

・・・・・・・

 

(もう1回取るんかーい)

 

まっ、誰にでも初めてはあるさ。

 

 

 

さて、先週、美人社労士さんが電話でご紹介下さった案件。その電話の中で

 

「賃貸借を抵当権に優先させるような登記をお願いしたい」というようなことを。

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

「詳しいことは、来られたときに・・・」と会話を終える。

 

どっかで聞いたような、ないような・・・

 

目の前にいるうちの敏腕司法書士2名に話を振ってみると、同じような顔。

 

「あああ  何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたような」

 

大事なのは、そこ。

 

在ることさえ分かれば、調べればいいだけ。在るんだから答えはすぐ見つかる。

 

「賃借権の抵当権に優先する同意の登記」

 

登記は先に登記されたものが優先する。

 

銀行が土地に抵当権を付けた後に、その土地に賃借権を付けると、先に付けた抵当権が優先する。

 

そうなると、もし債務者の支払いが滞り、銀行がこの土地を競売にかけたりした際には、新所有者のこの土地を使用する権利が、後の賃借権に優先して、以後賃借人はこの土地を使用できなくなる。

 

それでは土地の所有者と賃貸借契約を結んだ意味がなくなるじゃないか。

 

2番手なんだから仕方ないじゃないか。

 

が、

 

1番手の抵当権者が「いいよ」って言ってくれるなら、2番手の賃借権者に1番手を譲ってやろうというようなイメージ。

 

そんな虫のいい話があるの?

 

まあ、あんまりないから、この登記をする機会が少ない訳で。

 

で、あああ  何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたようなというリアクションになる。

 

が、しかし、答えが出れば、あとは簡単。

 

さも知ってましたよという顔して、本日、銀行の担当者さんと打ち合わせ。

 

今回、この銀行さんから持ち掛けたようです。大切なお客さんなんでしょうね。

 

担当者さんも初めてなので、全ての書類はこちらで準備することに。

 

初めてなのに、提案できたってスゴイですよね。司法書士があのリアクションするような知識を。。

 

まっ、誰にでも初めてはあるさ。

 

 

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