任意後見契約を解除する方法

2022年1月31日

 

認知症等の判断能力が低下した場合、本人に代わって財産管理をする法定代理人として成年後見制度が利用されています。

 

この場合、ご家族等が申立人になるケースが多いですね。

 

その申立書類の作成代理を担っているのが私たち司法書士です。

 

ご家族の希望によっては、そのまま成年後見人候補者に挙げられることもあります。

 

成年後見人は本人が判断能力が低下した場合に申立てられるわけですから、そこの本人の希望というものが反映していないことが多いわけです。

 

そこで、まだ判断能力が十分にあるうちに、いざその時が来たら後見人になる人と事前に契約を交わし、成年後見人と同じはたらきをしてもらおうというのが任意後見契約です。

 

この契約書は公証役場で完成されます。

 

そして、財産管理という重要な行為を任せる委任契約であり、そこには高度の信頼関係を前提としています。

 

また、その性質上、長いお付き合いになる長期的な契約です。

 

この契約を公証役場で交わしますと、任意後見契約の登記が、東京法務局に公証役場の嘱託でされます。

 

先ほど申し上げた通り、長期的な信頼関係を前提とした契約ですから、場合によっては事情の変化が起きる可能性があります。

 

今回、この任意後見契約を解除したい、そして別の方と契約をやり直したいというご依頼がありました。任意後見契約は亡くなった後の事務も任せる死後事務委任契約も同時に締結しておくのが一般的で、この死後事務委任契約は相続財産に影響を与えることから遺言も一緒に作成することが多いのです。

 

したがって、今回、この公正証書遺言の撤回と同時に、任意後見契約の解除手続きをさせて頂きました。

 

公証役場で別の方と任意後見契約書を交わします。

 

本人さんは以前の方と任意後見契約を解除するので、公証人はこの解除通知書も作成します。

 

あまり多くない案件なのか?公証人や事務員さんもちょっと手探り感。

 

この解除通知書の作成は全ての1番最後になり、

 

まず、同じ内容の解除通知書を5枚本人の前に並べ、この5枚全部に住所と氏名を自署させます。

 

えっ? 5枚も。。かわいそう、と心の声。

 

3枚は登記に使います。そう、任意後見契約を解除すると登記が必要になります。この場合は、公証人の嘱託ではなく、本人若しくはその代理人司法書士が行います。

 

そして、本人に公証人の前で起立が求められ、本人は、公証人に手渡された紙に書かれた文字を読み上げます。いわゆる宣誓供述です。

 

公証人も自分で求めておきながら、かなり気まずい空気が流れます。

 

これ、いる?? 再度、心の声。

 

この3枚の解除通知書を預かり、司法書士が以前の後見人に内容証明郵便を送ります。内容証明郵便は必ず同じ内容の書面3通が必要なんですね。

 

で、私も、この3通を翌日郵便局に持ち込みました。

 

「これ使えません」と郵便局員さん。

 

「本人さんが押印したものと一緒の印鑑で割印してください。」

 

内容証明に割印が必要なのは、なるほど司法書士には常識です。

 

しかし、公証役場で作られたものに改めて本人さんに割印を求めるのもどうか?と考えたが、それしかないということで再度本人さんに印鑑をもらう。

 

この内容証明を配達証明付きで送付し、この配達証明もまた登記の添付書類となる。

 

東京法務局のサイトに入り、申請書をダウンロードし、加筆して申請。

 

登録免許税はゼロ。

 

いい経験ができました。

 

本人さんのホッとした顔も印象的でした。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ任意後見契約ブログ~

 

 

オミクロンで事務所もてんてこ舞い

2022年1月29日

オミクロンが猛威を奮っています。

 

弊所でも少なからず影響を受けています。

 

スタッフさんのお子さんが通っている保育園でも、保育士さんや園児に感染者が出て休園。

 

お子さんを見ていないといけないから、スタッフさんも出勤できず。今週いっぱいお休み。半分以上はテレワークしてくれました。ありがたい。

 

今週初めに、よく知っている金沢の司法書士さんから電話。今週金曜日(つまり昨日)の午前に決済3件があるんですが代わってくれませんか?というもの。

 

聞くと、

 

やはり子供の保育園で感染者が出て、自身も感染したとのこと。2月半ばまで仕事を休まざるを得ないということ。電話の向こうで元気そうなお子さんの声も聞こえるのではその点はよかった。

 

決済(不動産売買)の立会を延期するのは難しい。大きなお金が動き、その入金を待っている業者さんも多い。当事者さんだって引渡しを心待ちにしている。

 

司法書士にとって決済立会はやはり特別だ。それを代わってくれないかと頼んでくるその思いを想うと、応えたい。時間が迫っている中、うちのマンパワーなら対応できるんじゃないか?ということでした。

 

書類の準備を担っている司法書士くんに顔を向けると、受けていいとのこと。

 

月末ということもあり弊所でも他の決済が立て込んでいたが、調整して、何より司法書士くんの頑張りで無事役目を果たせました。

 

このコロナは、司法書士業界にも、弊所にも、私個人にも色々変化を与えてくれましたね。

 

zoom等を利用した本人確認、テレワークの導入等々。

 

仕事も大事だけど、家族、生き方そのものも大事だよねっていう、当然のことを気づかせてくれた気がします。

 

目に見えないものにおびえ、目に見えないものの大切さに気付かされたように思います。

 

 

さて、週末の土曜日。

 

今週平日できなかった、裁判所提出書類(個人再生)を完成させに休日出勤。

 

そこに、「おはようございます。」と入ってくる司法書士くん。

 

今日中に発送したい書類を作りたくて、だそうです。

 

うちはスタッフに恵まれている。甘えないように、できるだけ恩返しがしたいなって考えています。

 

さっ、ブログも書いたし、子どものところに帰ろう!

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ今を生きるブログ~

 

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