住宅ローンと成年後見

2021年5月6日

3か月前の話。

 

土曜日。住宅メーカー。相談者さんと担当者さんと私。

 

相談者さんは銀行で住宅ローンを組んでこの住宅メーカーで家を建てたい。しかし、土地が亡くなったおじいちゃん名義のまま。

 

銀行が住宅ローンの審査を進めるにあたって、名義を相談者さんに変えてくれないと進められないと言ってるそうです。

 

お父様は既に亡くなっており、相談者さんは代襲相続人。他の相続人におばあちゃんがいて、認知症だそうです。

 

ここで問題になるのが遺産分割協議です。

 

遺産分割協議は法律行為で、その行為には判断能力が求められています。

 

認知症のおばあちゃんが参加しても無効若しくは取消の可能性があります。

 

こういう場合、おばあちゃんに代わって法律行為をする代理人を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。

 

この代理人を成年後見人といいます。

 

遺産分割協議を前に進めるには、つまり相続登記をするには、成年後見人の選任が必要であることは、住宅メーカーの担当者さんもご理解頂いています。

 

ゆえに、その場に当職がいたのです。

 

住宅メーカーさんの希望は、ゴールデンウイークが終わる頃には、土地の名義を相談者さんにしておいて欲しい、とのこと。

 

つまり、期限は3か月。

 

申立ててから実際に遺産分割協議書に押印できるまで1か月半はかかるでしょう。

 

となると、申立ては遅くとも1か月内。他のご家族にもご理解頂き、さらにご協力を頂く必要があります。資料の収集も相談者さんたちに頑張ってもらわないといけない。

 

そんなに時間はありません。

 

とはいえ、目的は自身のマイホーム建設。頑張ってもらうしかありません。

 

私が設定しているタイムリミットぎりぎりに申請完了。

 

相談者さんと弊所がダブルで成年後見人に就任するパターン。

 

1つは時間短縮のためです。

 

遺産分割協議を始めるには、その前に裁判所への就任報告が必要です。この辺は慣れている専門家が断然早いです。当然、申立て書類を作成した司法書士がなお早いです。

 

相談者さんは相続人でもありますから、相続人であるおばあちゃんとは利益相反するので、遺産分割協議においては代理人になれないんですね。だからです。

 

申立てをして1か月ほどで成年後見人が選任されました。

 

それから2週間ほどで、弊所は成年後見人となった登記簿も取得できました。

 

選任されることを見越して遺産分割協議書の準備もしてきました。他の相続人のご協力も頂いています。

 

登記簿が取得できるや、家庭裁判所への就任報告書提出と法務局への相続登記申請。

 

このへんはすぐに終わり、ゴールデンウイークに入る4月28日、相続登記が完了。

 

鼻を膨らませながら、相談者さん、住宅メーカーに連絡。

 

相続登記が終わりました。前に進めて頂いて大丈夫ですよ。と。

 

ちなみに、弊所は遺産分割協議含め初期の法的手続きが終わると辞任します。その後の財産管理や身上監護は相談者さんが1人で担うことになります。

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ成年後見ブログ~

成年後見人と遺産分割協議

2021年3月25日

本日、家庭裁判所から通知が届きました。

 

「司法書士法人カルペ・ディエムを〇〇さんの後見人に選任する」という審判書。

 

今回の成年後見人選任の申立のきっかけは相続、遺産分割協議である。

 

相続人の中に認知症の方がいらっしゃって、遺産分割協議ができないというもの。

 

遺産分割協議も法律行為であるから、その前提として相続人の判断能力が求められる。

 

それができない以上、代って協議に参加する代理人、成年後見人選任が必要となったのである。

 

そして、今回は家族のお一人と弊所がダブルで就任し、就任当初の面倒な法律行為(遺産分割協議等)を弊所が担い、その役割が終えれば辞任し、親族後見人に引き継ぐというもの。

 

進捗にスピードが求めれるような場合には、今回のように、司法書士という専門家をかます方法をお薦めしたい。

 

 

そういえば、数日前に興味深いニュースを目にしました。

 

「全国銀行協会は、医療費の支払いで預金の引き出しが必要な時などにかぎり、手続きをとれば法的な代理人でなくても取り引きできるようにする指針をまとめた」

 

というもの。

 

今回の手続きも、相談時から審判までは2か月かかっています。実際に法的な代理行為をするには最短でもさらに2週間かかります。

 

どうしてもかかってしまう時間と費用を考えると、こういう制度が始まるのは現実的と言えるかもしれませんね。

 

「医療費の支払いで預金の引き出しが必要な時などにかぎり」と、濫用にならないような配慮もなされていますしね。

 

 

 

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