在外日本人の相続手続(来日編)

2023年2月2日

 

公証役場でとある相続人さんと待ち合わせ。

 

「パスポートに住所記載してないんだよね。」と相続人さん。

 

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相続人さんはブラジル在住の日本人。

 

現在、祖母の株式を相続する遺産承継業務を受任しています。

 

相続人さんのご親族が亡くなり、今回、急遽来日されることが決まりました。

 

ブラジル在住ですから印鑑証明書が取得できません。相続手続には遺産分割協議書に実印を押印し印鑑証明書を添付しないとけません。

 

それに代わる手当として、相続人が遺産分割協議書に公証人の面前で署名押印し、公証人に認証してもらうということになります。

 

それにはブラジルの住所が記載された証明書が必要になります。

 

通常はパスポートなんですが、パスポートって住所記載がないですよね。あってもそれは本人が手書きするものです。

 

何で手書きしたものが証明になるんだろう?って常々思っているんですが、それは置いといて、今回も事前に公証役場から求められていました。

 

が、

 

今日お会いした段階では、住所記載してないよという告白。

 

そのまま事務員さんに報告すると、この場で書いてもいいよとのこと。

 

こんなこともあろうかと、ブラジルの住所が分かるものも持ってきてとお願いしていたので、保険料納付のための郵便物を持ってきて下さっていました。

 

その場で、パスポートに住所を記載。

 

何て読むかも説明。

 

私は私で、先日ダウンロードしたスマホの翻訳アプリをかざす。ポルトガル語→日本語に設定して。

 

いい時代だ。

 

問題ないことを確認して、公証人執務室に通される。

 

公証人面前で遺産分割協議書に署名・押印(押印は必須ではない)。

 

パスポート以外の身分証も提示(理解してもらえたのかは分からないがOKだったらしい)。

 

今回は相続財産の評価が現時点で判明していなかったので算定不能で、公証役場で5,500円の支払い。

 

たまたま来日したこのタイミングを逃すと余計面倒なのでホッとした。

 

ありがとう、公証人さん。

 

ありがとう、事務員さん。

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

韓国戸籍を翻訳(帰化した韓国人の相続登記)

2023年1月31日

先日、ホテルで開かれたとある懇親会にて。

 

たまたま隣りに座ったのが、弁理士をしている同級生。

 

「弁理士事務所って翻訳業務も多いよね? どうしてるの?」

 

「プロに頼むことも多いんだけど、事務所内等内内のものは翻訳アプリを使っているよ。それで大まかには理解できるよ」と。

 

今日は、在日韓国人(帰化後死亡)の相続登記の準備。

 

手元には帰化後の日本の戸籍、帰化前の韓国戸籍も揃っている。

 

後、必要なのは韓国戸籍の翻訳。

 

有料でプロに頼んでもよかったんですけど、

 

「内内なら翻訳アプリでも・・・・・ 大まかには・・・・・」

 

相続登記に使う翻訳は司法書士がやっても構わない。

 

戸籍の文言は定型的。

 

戸籍に沢山の情報は載っているが、必要なのはその人の相続に関する部分のみ。

 

相続登記で戸籍を提供するのは、相続人の確定である。それが分かりさえすればよいのだ。他に相続人はいないよってこと。

 

ということで、1番名の知れた翻訳アプリをダウンロード。

 

韓国戸籍にスマホカメラをかざす。

 

瞬時に日本語に置き換わる。明らかな誤字は訂正。これまで何度も在日韓国人の相続登記をやっているので、参考資料(戸籍等や翻訳)を参考にしながら、大まかからちゃんとしたものに修正していく。

 

いい時代だ。

 

 

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