数年前に相続登記をさせて頂いた依頼者さんから電話。
話を聴くと、数年前の相続登記から抜け落ちた不動産があるのではないか?というもの。
胃の辺りが、キリッとする。
地方にあっては、山林や田畑や、不動産の数でいうと、数十とか百を超える場合もある。
故に相続登記の中から漏れてしまうことは、あり得る。
あり得るがゆえに、司法書士は慎重になる。
したがって、抜け落ちたなんてことがあれば、恥ずかしすぎるミスということになろう。
謝罪の意味も含め、ご自宅へ。
相続登記から現在までの間に、町の地籍調査があって、その際に取得した登記簿が用意されていた。
登記が終わった際にお返しした大量の権利証(登記識別情報)の中に、なるほどその登記簿の不動産がない。
その際に作成した遺産分割協議書にもその不動産の記載はない。
いよいよ、私のミスである。
すみません。抜け落ちたようです。すぐに、抜け落ちた不動産の相続登記を進めます。
依頼者さんは、全然怒っていない。急いでないからゆっくりやってねとも。
額に汗。
何気にその際にお返しした名寄帳に目を移す。
??
ん?
あれっ? この不動産、名寄帳にも載っていない。
司法書士が相続登記のご依頼を受けると、まずするのは、この名寄帳を取ること。
なぜなら、この帳簿には、被相続人が所有していた不動産が列挙されているからである。
それを元に、登記情報を取得し、権利関係を把握していく。
司法書士が、抜け落ちないように慎重になるのは、この名寄帳に列挙されているものが過不足なく、遺産分割協議書に書かれるか?である。
そもそもここから抜け落ちてしまうと、調べようがない。
何でこんなことが起こったんだろう??
と、本日、町役場の固定資産税課へ。
担当の方に調べてもらうと、分かったことは、相続人でない方に請求が行っていた。
そんなことあるの?と思うかもしれないが、私はこれで3回目なので、あることはあるのである。(登記できなかったのは初めてだが)。
しかも、その不動産の評価額が低すぎて固定資産税が発生しないケースだったそうで、間違った先にも通知書が発送されなかったために誰にも発見されず。
今回、私の問い合わせで、表に出てきたそうです。
で、その名寄帳も取ったんですが、町役場のミスで、数年前出せなかったということで、300円はとられませんでした。
そんなこともあるようです。
ちなみに、こんなこともあろうかと、司法書士が遺産分割協議書を作成するときには、後日判明した不動産は〇〇が相続するみたいな文言を入れることが多い。
というわけで、粛々と、この相続登記を進めるのでした。
私のミスではないんですよ。
って理解して頂くのって難しいだろうな。。。
言葉を重ねれば重ねるほど言い訳しているみたいで。
そもそも、依頼者さん怒ってないし。
人はミスするものさ。ってみんなが寛容でいてくれると良いですね。プロが言っちゃいけないでしょうけど。。
それにしても、ないことの証明は難しいね。
ね。安部さん。
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