公正証書遺言の撤回

2022年1月13日

「遺言は〇〇さんが亡くなるまで効力は発生しません。逆に言うと、それまでは自由にここに書かれている財産を消費して構いません。また、人ですから将来気が変わるかもしれません。そのときは改めて遺言をやり直すこともできます。そのときはご連絡ください。」

 

公証役場で公正証書遺言を作成すると、事務手続きが終わるまで、公証人はだいたい上記のようなことを話されます。

 

大事なことですが、何となく場を持たせるような会話だなって何となく思っています。

 

本日、

 

前の公正証書遺言を撤回して、遺言を作成し直すという手続きに立ち会ってきました。

 

撤回する意思を確認するほかは、新たに作成する場合と変わりません。

 

費用も同じようにかかります。

 

だから公正証書遺言を作成するのは慎重に!と言いたいわけではありません。

 

自身が亡くなった後を考えて遺言を作成することはとても大切です。

 

法務局の保管制度が始まったとはいえ、自筆証書遺言より公正証書遺言の方がいいと私は思っています。

 

遺言の肝は、その人の気持ちです。

 

心配だから作成する。

 

人だから気持ちも変わることがあります。費用より気持ちを大切にして変更することはあっていい。

 

今回の方は経済的に特に心配ない方でした。

 

もし初めて遺言を作成する場合に、変更する度に費用かかって困るという方は、ご面倒でなけれれば、先の自筆証書遺言を練習のように遺されてはいかがでしょうか?

 

そしてほぼ変更がないとなった場合に、公正証書遺言にするという手もあるかなと思います。

 

それは年齢にもよるかもしれません。

 

年齢と関係なく、明日どうなるか分からないのも人生であることもまた事実です。そのこともお忘れなく。

 

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ遺言ブログ~

遺言執行者の戸籍収集義務

2021年11月9日

「公正証書遺言があるから他の相続人の戸籍等は集めなくていいの?」

 

こんな質問を受けました。

 

質問の主は、全部を相続する人であり遺言執行者になっている人。

 

遺言のセミナーをしていると、そのメリットとして、遺産分割協議をしなくて済むってところを強調したりしますね。

 

他の相続人と相談しなくて済むってことです。

 

相続手続きを簡便にしてくれるというのが遺言のメリットであることは間違いありません。まして公正証書遺言なら面倒な検認の手続きも不要です。

 

相続登記で言うなら、必要な戸籍は被相続人の戸籍と相続する人の戸籍があれば充分です。

 

ただ、

 

遺言執行者には「その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない」(民法1007条2項)という告知義務が定められました。

 

遺言執行者というのは遺言の内容を実現する人です。

 

相続人(兄弟姉妹は除く)には遺留分があるので、遺留分侵害額請求の機会を与える必要があります。

 

遺留分がない相続人も遺言がなければ相続する権利があるわけですから、遺言に利害関係を有しているわけです。

 

したがって、遺言執行者には相続人に告知するために戸籍を集める義務があると言えるでしょう。

 

遺言執行者は相続人等素人さんが就任することがあります。

 

手続き執行にご不安があれば、司法書士にご相談ください。

 

戸籍収集等お手伝いできることはたくさんあります。

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ遺言ブログ~

 

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