遺言を作りやすく

2020年11月25日

先日、銀行さんから連絡があって、遺言を作成したいというお客様がいらっしゃるので、相談にのってあげてくれませんか?と。

 

という訳で、本日、銀行さんの応接室で面談。

 

どうして遺言を残されようと思ったんですか? という質問から始まる。

 

答えによっては、遺言ではない選択もありえますからね。

 

相続人はお子さん3人なんですが、きっとトラブルになるとは思っていません。少なくとも、今のところは。

 

ただ、自宅だけはこの子に確実に譲りたいというお気持ちがあるそうで。他の子にも伝えてある。

 

なるほど、遺言がベストでしょうね。

 

トラブルが起きないなら、何も残さず、子供たちの遺産分割協議にお任せでもいいんですが、やっぱり、”今のところは”というところがポイント。

 

相談者さんが亡くなるタイミングで、相続人の子供たちの経済状況がどうなっているか分かりませんもんね。今のことろは大丈夫。そのときもきっと大丈夫と思うけれども、やっぱり念のためという感じです。

 

相談者さんの、お気持ちを形にして、お子さんたちに伝えるのです。

 

それが遺言という選択ですね。

 

でも、遺言を残すにあたって費用のことも気になる、とのこと。

 

そこで、公正証書遺言と自筆証書遺言の説明を簡単にします。簡単に。

 

最近の自筆証書遺言の保管制度についても。もちろん、簡単に。

 

思ったほどかからないんだなって安心すると、公正証書遺言を選択される方が多いですね。 公証人に作ってもらえるって安心ですから。

 

安心したいんです。遺される人にも楽させてあげたいんです。

 

じゃあ、どういう風に書いたらいいの?

 

と進んでいきます。

 

そこで、うちの事務所で用意しているひな型をお渡しします。

 

敢えて大雑把で、自由度を高くしてあります。しかし空白を埋めていくと、遺言書の形になるようになっていきます。

 

銀行さんを通じてですからね、そこは。預金やら保険も絡み、やっぱり遺留分(相続人が最低限相続できる持分)の説明をします。

 

そして、付言事項です。

 

なんで、その子に自宅を引き継いでもらいたいのか?なんで、その分他の子たちの相続分が減っちゃうのか?相談者さんの率直なお気持ちをみんなに伝えます。

 

これなら書けそう!

 

ということで、本日の相談は終了。

 

来週、作ってみる草案を見せてくれるそうです。

 

遺言は大切です。作り方のハードルを下げるのが私たち司法書士の役目かもしれませんね。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ遺言ブログ~

遺言と司法書士の係わり方

2020年9月11日

遺言をのこしておきたい。

 

と、思ったとき、考えるのは遺される人のこと。

 

その人が困らないように。自身の遺志がちゃんと届くように。

 

遺言と司法書士の係わり方。

 

まずは、作成段階。せっかく作ったのに無効になってはたまらない。

 

公正証書遺言なら公証人のチェックが入るので安心だが、自筆証書遺言でいくなら形式的にも無効にならないようアドバイスをもらうといい。

 

その遺言が争いの種にならないように。遺される人たちのことを考えて、遺留分についてのアドバイスをもらうといい。分け方だね。

 

遺言をスムーズに実行するには遺言執行者の取り決めは重要だ。

 

遺言執行者とは、遺言を実現してくれる相続人の代理人である。面倒な手続きが多いから、そういうことに慣れている人がいい。せめて苦手じゃない人。

 

実際に相続してもらう人になってもらうことも多いが、司法書士を遺言執行者に選任することも多い。その場合、トラブルにならないように報酬(もしくは決定方法)を決めておくとよい。

 

司法書士は、不動産の名義変更である相続登記も、銀行口座の解約等の遺産証明業務にも慣れているので安心である。

 

さて、本日、この遺言執行業務が完了した。

 

正確には、遺言執行者の支援業務が完了した。

 

当事務所は、もし遺言執行者が就任してくれなかったら、と二次的な遺言執行者になっていた。

 

当初は、一次的な執行者さんが取り組んで下さったのだが、高齢ということもあり、そのお手伝いをする形で引き継いだ。

 

ご自身の遺志を間違いなくスムーズに実現するために、遺された人たちを困らせないように、遺言には司法書士を上手に使いましょう?

Contact Us

ページトップへ