各共有者は単独で全員のために保存登記できるか?

2017年1月31日

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私がブログを書くのは、同業者向けではないので、司法書士がご自身の業務の参考にしたいと思われるときは、あまりお薦めしません。

 

今日のは、そんなマニアックな記事。

 

現在、パートナー司法書士と手分けして、各種とりまぜ色々と相続登記の準備を進めている。

 

その中に、こういうのがある。

 

物件は土地なのだが、登記簿を見ると、所有権の欄(甲区)がない。表題登記のみ。

 

かなり古い登記であることが多い。

 

これ自体はあまり驚かなくなった。

 

表題部の所有者欄に記載されているのは、所有者の氏名のみ。住所がない。

 

これ自体も驚かない。

 

甲区がない以上、相続登記ではなく、相続に基づく保存登記になるのだが、これ自体は何度か経験がある。

 

不在住・不在籍証明を付けて、納税証明を付けてやれば、金沢地方法務局管轄ならOK。

 

今回、えっ?と思わせてくれたのが、

 

表題登記の所有者欄に3人の氏名が記載。持分記載はあるものの、住所記載はない。

 

依頼者さんは、その内の1人のお孫さん(相続人)。

 

あとの2人は全くの他人。

 

 

ここで、問題が1つ。

 

そもそも保存登記ができるのか?

 

不動産が共有の場合、共有者の1人が自身の持分のみの所有権保存登記を申請することはできない、とされている。

 

司法書士受験生なら即答であろう。

 

では、各共有者(その相続人)は単独で全員のために所有権保存登記の申請することはできるだろうか?

 

やはり、受験生なら即答であろう。

 

私より経験の浅いパートナー司法書士に質問してみたところ、

 

「できますよね」と、即答。

 

・・・・・・・・・・ 即答なのね(笑)

 

ちなみに、私自身は、取り敢えず、書籍で確認した上で、あゝ出来るのねと思い出した次第。

 

つまり、表題部にABCの3名が記載されていたとして、Aの相続人である甲とBCで保存登記ができるという結論。

 

ここまではいい。

 

BCの住所記載はないし、よってBC(間違いなく既に他界)の住民票も取れない。

 

Aの相続書類のみで保存登記はできるのか?

 

答えが見つからず、法務局に照会。昨日、最終回答。

 

結論、ダメ。

 

BCの住所の分かるもの付けて、そして同一性を証明するものも付けて。

 

取り敢えず、途方に暮れる。

 

相続登記(今回は保存)は奥が深い。

 

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遺産分割協議には想像力が大事

2017年1月26日

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今週の火曜日から明日の金曜日まで、1人事務所に戻っている。

 

パートナー司法書士が4日連続で名古屋出張。

 

というわけで、ちょっと前まで普通だった、24時間電話転送。

 

1人で面談し、1人で登記書類を作り、1人で申請し、1人で補正し、1人で取材に応じる。

 

同時に複数のことに気を配ることがこんなに大変だったんだと、人は簡単に忘れるものである。簡単に。

 

先回りして色々やってくれていたんだなあ、と。

 

これをしておくといいよね、っていうのは想像力ですよね。優しさと言ってもいいし、思いやりと言ってもいいし、仕事がデキルと言ってもいい。

 

 

本日、午後は、相続登記のための戸籍類の収集のため、石川県を北上。市役所のはしごである。

 

運転中は、明後日の「相続・遺言・成年後見セミナー」の一人リハーサル。

 

このブログを読んで下さる方は、たぶん明後日いらっしゃらないでしょうから、ちょっとだけネタバレ。

 

劇団員さんたちが6つの事例をショートムービーという形で演じてくれます。それに私が解説を加えるんですが。

 

その1つの事例。たぶん肝入り。

 

お父さんが亡くなって、司法書士のところに相談に行くと、先妻さんとの間に娘さんがいたことが判明。その娘さんが突如現れ、今の家族と遺産分割協議が始まる。

 

この遺産分割協議はモメる?モメるとすればその理由は?モメない方法は?事前に対策はとれた?

 

これを題材とすることに、司法書士の上役の方たちは喧々諤々の議論をやったというから、司法書士って本当に真面目だなって感心します。

 

つまり、先妻さんとの間の娘さんが悪者に描かれるのではないか?市民の皆さまに誤解を与えるのではないか? 真面目だし優しいですね。

 

でも、その通りだと思います。

 

私の担当する解説も、そこが肝だと思っています。

 

遺産分割協議をモメさせない絶対的な方法なんてありません。どんな場合にも対応できる汎用性抜群の方法なんて。

 

でも、敢えて1つ挙げるとすれば、先ほど言った、想像力だと思っています。

 

こういう場合、ついつい平和を乱す存在としてこの娘さんをとらえがちですが、

 

今の家族は、亡くなったお父さんがお母さんと作ったお家で安心して暮らせてきたのに対して、もしかしたらその娘さんは寂しい幼少期を過ごしたのかもしれない。

 

もちろん、新しい優しいお金持ちのパパと幸せに暮らしてきたかもしれないし、それはケースバイケースですが。

 

これまでどんな暮らしをしてきたのかに耳を傾けてみることから始めてもいいのではないでしょうか?

 

もし頑なに相続権を主張するとすれば、その理由は?

 

それな娘さん側もそうですよ。なぜ、この家族は自分に冷たく接するのか?もしかしたら驚いているだけなのかもしれない。

 

お互いが相手の立場を想像して、ちょっとでも譲ろうという姿勢が見えれば、遺産分割協議はもう少し違った結果を見せるのではないか?

 

もう少し生々しい話をすれば、

 

1人でもウンと言わなければ、遺産分割協議って終わらないんですよ。じゃあ、裁判所まで持って行く?お互いが弁護士を立てて。

 

お互いがそんな費用をかけるなら、その費用で調整を計ったらいいのにって、思うのは私だけ? じゃないよね。

 

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