公正証書遺言による贈与登記

2016年11月15日

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本日、公正証書遺言による贈与の登記を申請しました。

 

いわゆる、遺贈です。

 

相続登記と何が違うのか?

 

相続登記はその名の通り、相続人に対する所有権移転登記です。

 

登記には登録免許税という税金がかかりますが、相続登記が不動産の評価額の0.4%に対して、遺贈の登記は2%です。実に5倍。

 

公正証書遺言は公証人が作成するので、言葉もしっかり選択されています。

 

相続人に譲るのであれば「相続させる」という言葉を使っています。

 

相続人でない第三者(孫等)に譲るのであれば、「遺贈する」とかね。

 

今回のケースもそうですが、お子さんのいらっしゃらないご夫婦でした。

 

この日曜日開催の相続・遺言セミナーでも話しましたが、お子さんのいらっしゃらないご夫婦というのは遺言を作成した方がいいですよ。

 

自身が亡くなると、法定相続人は配偶者(妻・夫)と自身の兄弟姉妹(ご両親が既に死亡している場合)ということになります。

 

配偶者が全て相続したらいいよと言ってくれる兄弟姉妹も多いとは思いますが、そうであっても、そういった内容の遺産分割協議書を作成しないといけません。

 

配偶者が兄弟姉妹に遺産分割協議書に実印押してって言いにくいって思いません?気が引けるというか。

 

遺言は、財産を誰に渡すかだけでなく、その手続きそのものを簡便にして、心的ストレスを軽減させる働きもあります。

 

せっかく、遺される人のことを思って、心配して残す遺言書です。

 

その辺のことも想像して作ってあげてくださいね。

 

 

既に配偶者が亡くなっているという場合、兄弟姉妹もいないという場合。つまり相続人がいないという場合。

 

明日、遺品整理に立ち会う相続財産管理人業務のケースがそうなんですが、その場合、遺産は最終的には国庫に帰属します。

 

死んだ後のことはどうでもいい。

 

という価値観も否定しませんが、

 

自身が一生をかけて築いた財産を誰か思う人に有効に使って欲しい、助けになればという思いがあれば、遺言を遺されることをお薦めします。

 

それが「遺贈」です。

 

 

 

今回の依頼者さんは、遺言執行者です。

 

遺言執行者というのは、遺言内容を実現させる、相続人の代理人です。

 

通常、遺言の中で指定しておきます。

 

今回は、行政書士の先生。

 

行政書士は、登記申請の代理人にはなれないのですが、今回は遺言執行者という立場。

 

法律上、自身で出来ないわけではありません。

 

登記やってられないくらいお忙しいんですか?と尋ねると、

 

今回は、遠方の法務局であること。

 

「何より、いつもお世話になっているので、こういう機会には依頼したい」という言葉。

 

お世話になっているのはこちらの方なのに。

 

こういう方と一緒に仕事ができるというのは、本当に幸せなことです。

 

温かくなりますね。

 

 

 

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事業承継と株式売渡請求と株券廃止

2016年11月11日

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現在進行中の会社登記にこんなのがある。

 

依頼者さんは、1代で築いた会社の社長さん。いい年齢に達してきた。

 

少数株主から株式を買い取りたい。

 

いわゆる事業承継(M&A)が念頭にある。息子に譲るにしても、第三者に売却するにしても、引き継ぐ側が安定した経営を続けるには、出来れば全ての株式を譲渡したい。

 

実際、M&Aを持ちかけてくる会社もあるそうで、その際も株主構成に質問が及ぶとのこと。

 

会社を興した頃は、名のある方が株主でいてくれた方がということで、少数の株式を持ってもらっていたそうだ。

 

しかし、事業承継が現実味を帯びてきた昨今、会社に株式を集中させることの方がいいということになった。

 

株主の中に、何年も前に亡くなった方がいて、その相続人から買い取りたいというのが相談の始まり。

 

司法書士は相続が得意ですからね、調べます。

 

問題発覚① 何と、相続人の中に行方不明の方がいる。

 

探します。

 

見つけました。

 

遺産分割協議をしてもらい、相続した方から買い取ります。

 

ここで、問題発覚② 株券がありません。

 

株券というのは、株式という権利を表した紙ですよね。今は、この株券制度は原則ありません。つまり、株券がないことが原則なんです。

 

しかし、かつて、株券発行が原則でした。

 

と言っても、実際には株券・紙を発行してないっていう会社も多かったんですけどね。

 

依頼者さんの会社は、現実に、発行してたんです。

 

株券を発行している場合、株式譲渡は株券の移動が効力要件です。

 

どうする?

 

株主が持っていた株券をピンポイントで効力を無くす方法があります。株券喪失登録制度です。

 

ただ、この方法1年かかるんですよね。

 

1年は長いということで、もう1つ方法を提案。

 

ピンポイントではなく、会社で発行した株券全てを廃止するという方法。

 

今は、株券不発行が原則です。なぜなら、株券自体にメリットがほぼほぼないからです。

 

これからも株券を無くしたという株主が現れるかもしれません。なんせ歴史のある会社です。

 

官報公告費や登記費用は若干かかりますが、こちらの方が簡便になります。

 

こちらの方法を採用頂きました。

 

 

事業譲渡が頭に浮かんだら、

 

税理士だけじゃなく、司法書士にもお声かけ下さいね。

 

例えば、今では、定款に当たり前のように入れる株式売渡請求に関する条文。株主が亡くなったら、相続人に売り渡してよって会社側から請求できる条文。(会社設立の依頼を受ければ定款には必ず入れます)。

 

入れていないっていう会社もありますよ。

 

今回は随分前に亡くなったケースでしたが、この条文があれば、亡くなった1年内に売渡請求をして、株式が分散していくことを防ぐことができます。

 

スムーズな事業承継、新社長の安定的な会社経営には欠かせませんよ。

 

 

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