「賃借権の抵当権に優先する同意の登記」って知ってる?

2017年11月27日

ここ毎週月曜日、仕事の合間に歯医者さんに通っている。

 

その歯医者さんには新人歯科助手さんがいて、基本目をつむっている私の周りで会話が繰り広げられている。

 

歯に詰め物をするらしく、先輩助手が練った何か(見えていない)を後輩助手が私の口に運ぶ途中(たぶん)、

 

「あっ、落としました」

 

「えっ?落としたの?」とまた練る先輩(たぶん)。

 

続いて、歯の型を取るために、何か固まる系のものを口に入れ、歯の上でしばらく押さえている。

 

5分ほどして、固まったものを口から取り出し、先生に見せ、

 

「はい、やり直し」

 

・・・・・・・

 

「もう1回取りますね」と先輩助手。

 

・・・・・・・

 

(もう1回取るんかーい)

 

まっ、誰にでも初めてはあるさ。

 

 

 

さて、先週、美人社労士さんが電話でご紹介下さった案件。その電話の中で

 

「賃貸借を抵当権に優先させるような登記をお願いしたい」というようなことを。

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

「詳しいことは、来られたときに・・・」と会話を終える。

 

どっかで聞いたような、ないような・・・

 

目の前にいるうちの敏腕司法書士2名に話を振ってみると、同じような顔。

 

「あああ  何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたような」

 

大事なのは、そこ。

 

在ることさえ分かれば、調べればいいだけ。在るんだから答えはすぐ見つかる。

 

「賃借権の抵当権に優先する同意の登記」

 

登記は先に登記されたものが優先する。

 

銀行が土地に抵当権を付けた後に、その土地に賃借権を付けると、先に付けた抵当権が優先する。

 

そうなると、もし債務者の支払いが滞り、銀行がこの土地を競売にかけたりした際には、新所有者のこの土地を使用する権利が、後の賃借権に優先して、以後賃借人はこの土地を使用できなくなる。

 

それでは土地の所有者と賃貸借契約を結んだ意味がなくなるじゃないか。

 

2番手なんだから仕方ないじゃないか。

 

が、

 

1番手の抵当権者が「いいよ」って言ってくれるなら、2番手の賃借権者に1番手を譲ってやろうというようなイメージ。

 

そんな虫のいい話があるの?

 

まあ、あんまりないから、この登記をする機会が少ない訳で。

 

で、あああ  何かあったね、そういうの。受験時代に覚えたようなというリアクションになる。

 

が、しかし、答えが出れば、あとは簡単。

 

さも知ってましたよという顔して、本日、銀行の担当者さんと打ち合わせ。

 

今回、この銀行さんから持ち掛けたようです。大切なお客さんなんでしょうね。

 

担当者さんも初めてなので、全ての書類はこちらで準備することに。

 

初めてなのに、提案できたってスゴイですよね。司法書士があのリアクションするような知識を。。

 

まっ、誰にでも初めてはあるさ。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ不動産登記ブログ~

リバースモーゲージと今を生きる

2017年10月31日

月末なので、決済性のある登記が、金沢で3件、東京で3件。ほぼ軟禁状態でそれをコツコツと落ち着いて申請してくれる敏腕司法書士くん。

 

休んでるはずなのに、デスクのパソコンが動いている超常現象(チームビューワー)を起こしている敏腕パートナー司法書士。

 

うちはこの2人に支えられている。

 

 

で、所長の私は?というと、午前は、今月半ばの決済のために本人確認へ。金沢でも郊外、比較的山あいのお宅へ。

 

迎えて下さったのは、60代の上品な淑女。

 

リバースモーゲージを使って、駅近のマンションを購入。

 

リバースモーゲージとは、自宅を担保に、そこに住み続けながら銀行から融資を受けられる制度。シニア向けの商品。自身が死亡すると、売却して、その代金でローンを一括返済する。

 

名刺を渡し、挨拶すると、

 

名刺に目線を落として、嬉しそうに、「カルペ・ディエムって”今を生きる”っていう意味なんですよね?」と。

 

こちらも嬉しくなって、「はい、25年ほど前にあった映画の台詞から取りました」と。

 

カルペ・ディエムの金氏がお邪魔するということで、カルペ・ディエムってどういう意味なんだろう?と先に調べてくれたそうです。

 

「亡くなった主人が映画好きでしたから、きっと意気投合したと思います」と。

 

先に述べたように、ご自宅は金沢郊外の静かな山あい。

 

お二人のお子さんは既に独立していらっしゃる。

 

ご主人を亡くし、お一人で山あいで暮らすには、あまりに寂しく、不安だったそうです。

 

そんなときに丁度目にした駅近のマンション。リバースモーゲージという融資制度。

 

ここなら、賑やかで寂しさも紛れる。

 

近くには結婚された娘さんもいる。傘を差さずに金沢駅に行けて、東京に住む息子さんのところにもすぐだ。

 

ほぼ、即決だったそうです。

 

お子さん達も安心です。

 

奥様には、これからも人生が続いていく。

 

「いいマンションが見つかって本当に良かったです。”今を生きないと”ね」と。

 

「はい」

 

”今を生きる”というのは、当たり前の言葉です。生きるのは今しかありません。でも、今をという目的語を付けることで、何故か勇気が湧いてくる言葉になると思いません?

 

 

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