相続放棄と自己破産とありがとう

2016年11月2日

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「先生、ありがとうございました。本当にお世話になりました。」

 

先週末、金沢地裁のロビーで依頼者さんに笑顔で言われました。

 

依頼者さんは、私の母より幾つか若いくらいの年齢。

 

そんな人生の先輩に「先生」と呼ばせてしまう仕事。

 

そして、深々と頭を下げられながら「ありがとう」とつづくとき、何とも言えない気持ちになる。

 

嬉しいんだけど、どこか切ない。

 

 

本日、地裁から通知が届く。

 

自己破産の免責決定と廃止決定。つまり、自己破産手続の終了を意味する。

 

行政書士の先生の相続相談から引き継いだ案件。

 

そこから約1年。

 

何度お会いしただろう? 辛抱強く頑張ってくれました。

 

借金の多くは亡くなったご主人が作ったもの。

 

私が引き継いだときには、いわゆる相続放棄は出来なくなっていた。

 

相続放棄には、3か月という時間的制限や、処分行為をしてはいけない等の要件があるのですが、これについては、ご自身で判断されず、必ず司法書士にご相談ください。

 

3か月と言っても、亡くなってからではなく、借金があることが分かってからであるとか、素人判断をすべきではないことがあります。亡くなって6か月後くらいに届いた請求書によって初めて借金を知ったということで、相続放棄の申立てをするなんていうことは決してレアなケースではありません。

 

どんな行為が処分行為となるか?は微妙なものがあります。

 

今回は残念ながら、相続放棄ができず、返せないほどの借金を背負うことになってしまった。

 

しかも、

 

ご自身が作った借金でなかったことや今回特異な事情から如何に借金が膨れ上がったかがよく分からなかったり、免責不許可事由にあたるのでは?ということで、管財事件になってしまった。

 

これが約1年という長丁場になってしまった理由である。

 

管財事件というのは、破産管財人という弁護士が選任され、より詳しい調査が行われる。その方への報酬に充てるため予納金を別途支払わないといけない。

 

当然ながら、自己破産というのはお金がないから行う手続きである。かなり自己矛盾的な制度に思われるのだが、制度は制度である。

 

ただ、管財人の弁護士先生も気遣って下さって、調査は、あまり依頼者さんが緊張しないようにと、当事務所で行った。

 

地裁で最後に行われる債権者集会(形ばかりになるケースも多い)に司法書士は同席できないまでも、直前の待合室までは一緒にいれる。

 

それらが全て終わったあとに、

 

依頼者さんが発した言葉が、

「先生、ありがとうございました。本当にお世話になりました。」 である。

 

司法書士は、いい仕事である。

 

そう思う。

 

 

今日の金沢は雲一つない青空である。

 

青空というものは、実は、どこか切ないものだ。

 

 

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本日は、不動産売買の決済立会があった日でもあった。どこかピリッとする日。

司法書士の相続登記に限定されない遺産承継業務

2016年11月1日

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今朝は相続のご相談からスタートである。

 

司法書士で”相続”というと、相続登記を思い浮かべる方も多いのではないだろうか?

 

つまり、相続財産の中に不動産がある場合にのみ受任する。

 

逆に言うと、相続財産に不動産がないような場合には、遺産分割協議書を作成してはならないんだ、という認識の方もいた。いる。

 

しかし、

 

そんなことはないですよ。

 

遺産承継業務として、当然、遺産分割協議書の作成を引き受けております。勿論、合法ですから堂々と。

 

 

今回のご相談は、かなり高齢で亡くなったお母様の相続。

 

相談も終わりかけ、こんなことをつぶやく。

 

あのときお母さんに成年後見人を付けていればよかったんですよね? と。

 

成年後見人は認知症等で判断能力が低下した方に代って財産を管理する法定代理人です。

 

お母さんの財産を守ってやれなかったという忸怩たる思いがよぎるということ。

 

詳しくは書けません。

 

取り返すべきか?

 

既に弁護士さんにも相談に行っている。

 

裁判をすれば勝てるだろう。

 

が、勝てるという意味は2つある。勝訴判決を取れるということ。つまり幾ら支払えと裁判官に言ってもらえるということ。これでは意味がない。実際に回収できるかは別問題。

 

結論を言えば、勝訴判決は取れるだろうけど、回収は難しい。

 

それでもやるか?伝家の宝刀を抜く?

 

予想されるのは泥沼、続く強いストレス。

 

弁護士さんにもその辺のことを言われ、諭され、当事務所へ。

 

相続人の間で言いたいことはあるが、そこはグッとこらえ、遺産分割協議に臨もうとしている。

 

遺産分割協議で大事なことは想像力である。あるいは共感力である。

 

何で相手はそこまで権利を主張するのだろうか?

 

何でそこまでお金が必要なのか?だったのか?

 

その想像は外れているかもしれない。

 

しかし、その姿勢つまり譲ろうという姿勢が、遺産分割協議に臨む大切な姿勢である。

 

司法書士は弁護士さんと違って、相続人の一方の代理人となって有利に交渉を進めるということができません。

 

この許されていないという制限こそ、遺産分割協議の場では強みになることもある。

 

つまり可及的に中立的な立場でいることが、遺産分割協議の決着に資するという面もあるのだ。

 

いい相談だったと思います。

 

 

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