相続登記の義務化セミナー内容③

2021年5月27日

木曜日は相続登記セミナー講師の日。今日はテルメ金沢さんで。

 

3回目なので、結構、言葉もすらすら。こなれた感。

 

セミナー内容のつづき③

 

では、亡くなってから10か月以内にすることは?

 

相続税を払う必要がある方は、申告と納税まで済ませる必要があります。

 

全ての相続人が相続税を払うわけではなく、

基礎控除額:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)を超える遺産があ

る場合です。

 

といっても、これに当てはまるから必ずかかるという訳ではなく、財産に住宅や

保険があると、別の控除も適用されたりしますから、

 

微妙な場合は、ご自身で判断されず税理士さんに相談されることをお勧めします。

 

 

では、3年以内にすることは?(今回の法律が施行された後という前置き)

 

① 遺言がある場合は、遺産分割協議をする必要なく遺言に従って相続手続きがと

れます。

 

② 遺言がない場合、遺産分割協議をする必要があります。

 

「遺産の分割は遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職

業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。 」

(民法第906条)

 

どこにも法定相続分で分けましょうとは書かれていません。

 

遺産の性質や相続人の状況“一切の事情”を考慮して、よくよく話し合いましょうということです。

 

では、このような遺産分割協議が難しくなるケースってどんな場合でしょう?

 

①相続を放置していたために相続人の数が増えた、疎遠になった

②相続人に未成年者や認知症の方がいる

③相続人に外国籍や行方不明の方がいる

④相続財産のほとんどが不動産

 

 

① 相続を放置していると、子供の代の相続が孫の代の相続になり、相続人が増え、増えれば必然、疎遠になる方も出てきます。疎遠になった方と相続の話をもっていくだけでも結構しんどいです。

 

② 相続人に未成年者や認知症の方、行方不明の方がいると、家庭裁判所に代理人を選んでもらう必要が出てきます。

 

③ 外国籍の方だと必要書類の収集が難しかったりします。

 

④ お金はとても分けやすい財産です。一方で不動産というのは分けにくいものです。

 

ご自身の相続でこのように遺産分割協議が難しくなりそうだなって不安に思われる方は、今のうちに準備しておいてはいかがでしょう?

 

どんな準備があるかは、次回ブログで。

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ相続ブログ~

 

 

次回のセミナーは、6月3日(木)15時~ 北國銀行小松中央支店で

 

相続登記の義務化セミナー内容②

2021年5月24日

では、相続登記の義務化セミナーのつづき。

 

お葬式も済み、気持ちも落ち着いてきましたら、相続手続きに入ります。

 

まずすべきことは、

 

遺言書の存否の確認です。

 

①公正証書遺言の存否。

 

遺言執行者や相続人が公正証書遺言の正本(または謄本)を持っていればそれで大丈夫ですが、ない場合。

 

最寄りの公証人役場に行ってください。そこで確認することができます。

 

②自筆証書遺言の存否。

 

ご自宅等で手書きの遺言書(自筆証書遺言)が見つかりましたら、封を開けることなく、家庭裁判所に持っていき、検認を受けてください。

 

検認とは、相続人等の利害関係者を集めて中身を開く作業です。この後に偽造されることを防ぐ効果があります。

 

この際に遺言書に検認済み証が合綴され、金融機関や登記に使えるようになります。

 

勝手に開くと、過料(罰金みたいなもの)を課せられる可能性がありますのでご注意を。

 

自筆証書遺言は法務局に保管されている可能性もありますので、最寄りの法務局でも確認しましょう。

 

この制度は昨年から始まり、まだ浸透しているとうは言えませんが、可能性はありますから、念のためチェックしてください。

 

 

亡くなってから3か月以内に、相続するのか?放棄をするのか?決める必要があります。

 

相続放棄というと、

 

例えば、遺産分割協議書を作り、長男さんが全部相続して他の兄弟は何も相続しないあれを相続放棄と思っていらっしゃる人がいますが、

 

法律上相続放棄というのは、家庭裁判所に申立てをして受理されたものを指し、借金を免れるにはこの相続放棄が必要になります。

 

先の遺産分割協議書は兄弟間で長男さんだけが借金も負うという約束をしているだけで、債権者には通用しませんのでご注意ください。

 

今申し上げた通り、借金も相続の対象となり、

 

相続放棄は通常、借金の方が多くてとてもじゃないけど返済できないという場合に選択されることが多いです。

 

そこで、何を確認するか?といいますと、

 

①まずはプラスの相続財産の確認

 

金融資産は銀行、証券会社、保険会社で確認しましょう(保険は正確には相続財産ではありません。)。

 

②次に借金の有無、額の確認

 

自宅に来ている請求書や督促状の確認です。それだけじゃ分からないという場合は信用情報機関(CIC、JICC)に申請して確認できます。1000円ほどです。

 

③相続人の確認

 

自身を含め誰が相続人であるかの確認です。

 

どこの機関も、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を提出してください、と言ってきます。

 

これは、亡くなった方の子供が誰かを確認するんですね。

 

自身が子供だとたいてい分かっていますが、亡くなった方が何度か結婚している場合、最初の結婚のときに子供がいるかもしれません。そのことを確認します。

 

これらの確認を3か月以内にする必要があります。

 

どうしても時間がかかるという場合、延期することができますが、その場合も家庭裁判所に申立をする必要があります。

 

この要件はかなり厳しい運用がなされているのでご注意ください。

 

(経験談)

 

今回はこのへんで。続きは次回。

 

 

 

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