仮差押抹消登記と不動産売買登記

2016年12月12日

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本日、とある所有権移転(不動産売買)の登記申請をした。

 

なかなか感慨深い。

 

近所の人が買いたいと言ってきたという、個人間売買。

 

これだけだとよくある話。

 

 

今回、この登記の前に、仮差押の抹消登記がくっついている(2連件)。

 

仮差押の抹消登記ができるのは、司法書士ではなく、裁判所の書記官。

 

これを嘱託登記という。

 

 

話は、半年ほど前に遡る。

 

やはり、何でもない不動産登記の依頼者になった今回の依頼者さんに登記書類の押印頂く際の雑談で、

 

司法書士は、借金問題も扱ってるんだよっていう話になり。

 

実は・・・・

 

その時の物件以外に仮差押の登記がされている物件があるという。

 

本人の言葉を借りれば、騙されて保証人になった。主債務者はとっくに破産し、裁判で自身に全ての返済義務が確定した。

 

仮差押と言うのは、裁判を起こす前に、仮に財産を差し押さえるのである。これによって、被告が財産を処分することは現実には不可能になる。

 

それから、毎月5000円ほど払ってきたという。既に70を越えている。

 

億近い借金(多くは損害金)。当然、完済なんて不可能。

 

ここで、敏腕司法書士の登場。

 

債権者と瞬く間に交渉をまとめ上げ、何十万~百数十万を支払うことで、億近い債権を放棄してもらい、仮差押も取り下げてもらう。

 

と、

 

こんなことが出来たら、格好いい。

 

が、司法書士にはそんな権限はない。

 

どうだろう? 任意売却専門の不動産屋さんであれば、この辺のことをスマートにやってくれるのかもしれない。

 

私が思ったのは、今後毎月5000円払い続け、総額幾ら返済できるだろう?

 

どうせ億近い額(多くは損害金)を完済するなんて無理。まとまった額を支払えば放棄してくれることもあるのではなかろうか?

 

半年経ったくらいで、その仮差押登記がされている不動産を買いたいと言う近所の人が現れた。

 

その売買代金(百数十万万円)を支払いに回すので、放棄してくれるのではなかろうか?

 

たとえ、億近い借金であっても、現実には完済不可能な額である。しかも多くは損害金。依頼者さんが今後払い続けてもその総額はたかが知れている。

 

依頼者さんから連絡がある。

 

債権者が債権を放棄するという回答をもってきたそうだ。

 

話が進みだした。

 

近所の人との売買契約に立ち会う。

 

何とも明るい立会になった。近所の買主さんはお隣の土地が安く手に入ってよかった。売主の依頼者さんは億近い借金がこの売買代金でゼロになった。

 

おかげで助かったよと、お互いで言い合う売買契約。

 

債権者の顧問弁護士にお願いして、裁判所の嘱託書を当法人が預かれるように裁判所に上申して頂く。

 

本日、裁判所より嘱託書を預かり、所有権移転登記と一緒に申請。

 

あのときの雑談が今日の結果に繋がるなんて。

 

司法書士って、登記以外のこともできるんだよって知ってもらうことって本当に大事だなって思えました。

 

 

余談ですが、

 

先日、司法書士って何やってるか?を知ってもらいたくってこのブログを書いてるんですよ、って高らかに?宣言しましたが、

 

クレームがついちゃってみたいなことを書いたら、

 

ブログをフェイスブックを通じて読んで下さってる方から、ファンレターを頂きました。

 

本当にファンレターか? そう書いて下さってたのでファンレターです。きっと。

 

で、

 

その方の困ってるご友人に、そのトラブルだったら、弁護士の他に司法書士という選択もあるよって教えて下さったそうです。

 

嬉しいですね。選択肢が増えるって、チャンスが増えるってことですからね。

 

ブログを書いててよかったと思わせて下さいました。ありがとうございます。

 

これからも、司法書士って登記以外でもこんなことやってるよって、雑談、ブログの中でどんどん発信していきます。

 

宜しくお願いします。

 

 

 

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急な根抵当権設定依頼にも対応

2016年12月1日

 

2日前、税理士さんが事務所に来られて、名刺交換をさせて頂きました。

 

お仕事のご紹介まで。

 

2日後の今日、ご依頼者さんに会うことに。場所は、とある銀行の支店。

 

ご依頼者さんより先に着いたので、銀行マンに挨拶。

 

「今日、根抵当権の借換えを行います。」

 

「えっ? 実行日が今日ですか?」

 

「はい、突然ですみません」

 

ここで、依頼者さんに初めて会う。

 

急遽、本日、根抵当権設定登記のご依頼となる。

 

設定登記の特徴は、間違いなく本日中に申請しなければならないこと。これが至上命題。

 

銀行の広くない応接室で、依頼者さんは銀行マンと押印書類の署名・押印。

 

その横で、権利証の確認。10近い物件、古いものから比較的新しいもの。その中から必要な権利証を探し出さないといけない。

 

なかなかな緊張感。

 

足りない。

 

ご自宅に同行し、ないかを確認。

 

やはり、ない。

 

この時点で、権利証に代わる書類の作成が決まる。本人確認情報である。

 

支店を出たのが12時30分。タイムリミットは17時15分。焦るほどでもない。

 

が、事務所まで車で20分ほどか?

 

事務所に必要情報を写メして送付。

 

この20分の間に、事務所に待機しているパートナー司法書士に準備に取り掛かってもらうため。

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事務所に戻ると、既に準備万端。

 

不思議とホッとする。

 

私は、次のアポの時間が迫っていたので、すぐにまた出る。安心して。

 

彼女は彼女で、14時半からアポが入っている。

 

 

ここからはリレー方式である。

 

14時過ぎに事務所に戻り、作業を引き継ぐ。

 

その辺は流石である。

 

ほぼほぼ既に完成している。

 

体裁を整え、最終チェックをして申請完了。

 

15時すぎ。

 

 

急な仕事にどう対応するか?

 

事務所の実力が試される。

 

今日ほど、実務で事務所を法人化してよかったと思えた日はない。

 

1人だったら、かなりタイトなスケジュールになってたな。場合によっては次の依頼者さんにご迷惑をかけることになったかも。

 

こういった経験の積み重ねが、事務所を筋肉質にしてくれる。

 

奥行も幅も出てくるというものである。

 

結果にコミットするわけだ。

 

これなら安心してビッグプロジェクトに乗り出せそうだ!

 

気持ちのいい疲労感。

 

 

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 マイホームを建てるとき

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