公正証書遺言の変更と法務局保管制度

2022年9月14日

 

今日の午後は最寄りの公証役場。

 

公正証書遺言の証人立会でした。

 

遺言者さんは8年ほど前に当職が遺言作成を支援させて頂いた方。

 

8年あればご事情が変わってくることもありますもんね。

 

配偶者が先に亡くなったり、子どもが結婚したり、経営している会社の様子も変わったりと。

 

今回は、そういった公正証書遺言の変更の証人立会でした。

 

変更と言っても、法律上は撤回して新たな遺言を作成するということになります。

 

では、その報酬は??

 

公正証書遺言の公証人の報酬は基本的には財産額と分ける人数で決まってきます。

 

変更の場合は、変更した部分の財産で決まってきます。

 

今回は変更箇所がそれほど多くなかったので思ったほどの額にはなりませんでした。

 

公証役場の事務手続きの待ち時間、自筆証書遺言の法務局保管制度の話になりました。近しい方が最近それを利用したそうです。

 

実際、弊所でも、自筆証書遺言がちゃんと有効か?作成前にチェックして欲しいというご依頼が増えてきています。この制度の認知度が若干ですが高まっているんですかね。

 

自筆証書遺言はその名の通り、手書きの遺言のことです。

 

私みたいな面倒くさがりは、全部手書き(若干緩和されていますが)なんて大変だという短所があります。

 

この手書きの遺言の最大の短所は、亡くなった後で家庭裁判所で検認という手続きをしないと使えないというものです。

 

検認とは、家庭裁判所で利害関係人を集めて遺言を開示されるものです。

 

せっかく遺された人を思って作成した遺言が、遺された人に面倒をかけるなんて。。。

 

実は、この法務局保管制度は検認の必要がないんですね。

 

法務局で保管しない自筆証書遺言と比べて、4000円ほど保管費用はかかりますが、まあそのメリットは大きいですね。

 

私ども司法書士が公正証書遺言作成に関れば、文案作成段階でプロのチェックが入りますし、公証人が最終的に作成するのでやはりその段階でもプロのチェックが入り安心です。

 

法務局保管制度は、自筆証書遺言が形式的要件が整っていれば受け付けるので、中身の善し悪しがスルーされてしまいます。

 

したがって、この制度を利用するにしても、先のように、中身のチェックを司法書士に依頼することをお勧めします。

 

遺言は遺された人のことを思って作成するものですから。

 

 

 

~石川県金沢市の司法書士が繋ぐ遺言ブログ~

公正証書遺言の撤回

2022年1月13日

「遺言は〇〇さんが亡くなるまで効力は発生しません。逆に言うと、それまでは自由にここに書かれている財産を消費して構いません。また、人ですから将来気が変わるかもしれません。そのときは改めて遺言をやり直すこともできます。そのときはご連絡ください。」

 

公証役場で公正証書遺言を作成すると、事務手続きが終わるまで、公証人はだいたい上記のようなことを話されます。

 

大事なことですが、何となく場を持たせるような会話だなって何となく思っています。

 

本日、

 

前の公正証書遺言を撤回して、遺言を作成し直すという手続きに立ち会ってきました。

 

撤回する意思を確認するほかは、新たに作成する場合と変わりません。

 

費用も同じようにかかります。

 

だから公正証書遺言を作成するのは慎重に!と言いたいわけではありません。

 

自身が亡くなった後を考えて遺言を作成することはとても大切です。

 

法務局の保管制度が始まったとはいえ、自筆証書遺言より公正証書遺言の方がいいと私は思っています。

 

遺言の肝は、その人の気持ちです。

 

心配だから作成する。

 

人だから気持ちも変わることがあります。費用より気持ちを大切にして変更することはあっていい。

 

今回の方は経済的に特に心配ない方でした。

 

もし初めて遺言を作成する場合に、変更する度に費用かかって困るという方は、ご面倒でなけれれば、先の自筆証書遺言を練習のように遺されてはいかがでしょうか?

 

そしてほぼ変更がないとなった場合に、公正証書遺言にするという手もあるかなと思います。

 

それは年齢にもよるかもしれません。

 

年齢と関係なく、明日どうなるか分からないのも人生であることもまた事実です。そのこともお忘れなく。

 

 

 

 

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